第9回 ライターの武器は「文章力」だけじゃない【私の武器について】

前回、

「ベテランライターが仕事をもらえるのは、文章力だけではありません。

蓄積した情報も立派なスキル、武器なのです」

と書きました。


そこで今回は、大まかなライターの武器と、ライターとしての私の強みをテーマにしたいと思います。

「文章力、構成力」は言わずもがななので割愛します。


●企画力

編集者は企画を出すライターを大事にする傾向にあると思います。

なぜなら、週刊誌は毎週、企画会議があるからです!

毎週企画を考えるのは大変です。しかもキャッチーじゃなきゃいけない。


ライターがいくつか企画を持って来てくれたら大助かりです。

ライターとしても、その企画が通ったら自分の仕事になるので、定期的に企画を出すのはコンスタントに仕事を得る正攻法とも言えます。

(でも私は、ほぼ企画を出しません)


●専門知識

皇室に詳しければ皇室担当、政治に詳しければ政治担当と、専門知識があれば、そのジャンルに特化したライターになれますし、重宝されます。

そういう方は専門誌で記事を書いて、識者として週刊誌に登場することもあります。

何かに秀でているというのは、どのジャンルにおいても強いですね。

(私は専門分野がありません。苦手分野はありますが💦)


●インタビュー力

ライターのなかには「アンカーマン」といって、あがってきた資料で記事を書く、ライティング専門のライターがいます(カッコイイですね!)。

こういう方は別として、基本は誰かに取材をして、それをデータにして、原稿にするというステップを踏みます。


取材相手が取材慣れしているなら、インタビュアーは誰でも結果はあまり変わりません。

けれど、たとえば初めてオファーを受けたボランティアの方など、素人の方ならこちらが話しやすく対応する必要がありますし、著名人でもネガティブで話したくないテーマの場合、口を開いてもらうための技量が必要になります。

ここがライターの腕の見せ所です。

(そして私は、インタビュー力も並みです)


●アポイント力

取材相手に取材許諾をもらう力です。

いくつかパターンがあると思います。


ひとつは、人脈が広いこと。

普段は取材を受けない一流シェフだけど、そのライターとは友達だから引き受けた、なんてことは多々あります。

こういうライターも重宝されます。


ほかには、アポの蓄積データがあること。

たとえば芸能人にアポを取るとき、事務所→マネージャー→芸能人、という段階を踏んで、アポイントを入れます。


つまり、夜にアポ先が決まった場合、事務所は閉まっているので、翌日の営業時間までアポを入れることができません。

ところが、既にマネージャーの連絡先を知っていれば、夜でも直接携帯に連絡して、アポを入れることができるのです。


ずいぶんとスピード感が変わると思いませんか?

特に週刊誌は、スピード命のところがあります。


他にも「今すぐに取材を受けてくれる弁護士さんを知っているなら、あなたに取材をお願いしたい」という、取材先探しとセットの依頼もあります。


私の武器はここです。

約20年ライターをしているので、識者さんの連絡先をかなり知っています。

編集者さんにもよく「アポ取りが早い」と褒められますが、情報を持っているだけの話です。


しかもこれは、ライターを長く続けていれば、誰でも入手できる武器です。

これがあるから、企画力も専門知識もなく、文章力もインタビュー力もそこそこの私でも、フリーでやっていけるのです。


まさに「継続は力」です。



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