第8回 編集者よ聞いてくれ ~情報も時間もタダじゃない~

私の収入は、月給でも時給でもなく、成果報酬です。

仮に1ページ1万円の仕事があったとして、1日かけても、10分で仕上げても、報酬は1万円です。


個々の案件にもよりますが、フリーライターならだいたいそうだと思います。

なので、お金にならない編集者からの連絡は、迷惑でしかありません。


――その最たるものは「○○さん(識者)の連絡先を教えて」です。


そんな電話がかかってきたら、即切りしたくなります。

よく仕事をくださる編集者さんなら快くお伝えしますけども。

(お世話になっているお礼という意味で☆)

たいがい、こういう連絡が来るのは関係が薄い編集者です。


なぜかといえば、編集者は普通「識者の連絡先を聞くくらいなら、その情報を持っているライターに仕事を依頼した方が、ライターと良い関係を築ける」とわかっているからです。


わかっていても、情報だけ聞いて、ほかのライターに取材を依頼したいのです。

そんなの、気分がいいわけがありません。

メチャメチャ心が遠ざかります。

(時々、なぜライターが嫌がっているのか理解していない編集者がいますが、論外です)


しかも、電話をかけてくるんですよ。

こっちは仕事をしているのに、集中力が切れるじゃありませんか!

また集中モードに入るのに時間を要してしまいます。効率が悪いったら。

相手のことをコレッポッチも考えていない証拠です。


こういう依頼は、せめてメールで「緊急なので早めに教えてくれると嬉しい」という謙虚さを見せていただきたいものです。

こっちは1円の収入にもならないどころか、識者の連絡先を調べるという労力を強いられ、時間までロスするのですから。


(ライターに限らず、フリーランスの仕事をされている方なら、共感していただけるのではないでしょうか)


ベテランライターが仕事をもらえるのは、文章力が高いだけではありません。

蓄積した情報も立派なスキル、武器なのです。


編集者がライターに情報を聞くというのは――。

そういうことなのです。

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