第21話 まりさんの人質大作戦とぼく

次の日、僕は研修の続きで朝早くからオフィスに向かった。


僕の部屋にはまりさんとママと楓が残っている。

まりさんと楓は午前中から東京観光だ。

ママは僕の部屋の掃除や買い出しをしてくれると言っていたが体調が悪いらしく寝込んでいる。


「ママりん、かえでちゃん連れて観光に行ってきますね。ここでゆっくり休んでいてくださいね。お昼過ぎにはイチローくんが帰ってきますのでそれまでは無茶しないでくださいね」


「ありがとう。まりちゃん、楓をよろしくね」


………………………


僕は研修も終わり自宅に帰った。

ママがいるはずと思っていたが部屋の中にはいない。


「買い物でも出かけたのかな?体調良くなったんだ」


でも珍しく布団もぐちゃぐちゃ、部屋も荒れている。ママがこんな状態で出て行くなんて考えられない。


あっ!置き手紙だ。


「星野まりは拉致した。この前の仕返しにお前の目の前で犯してやる。警察に通報したら星野まりを殺す。15時に埠頭の第17倉庫に来い」


「ええ!まりさんが誘拐された!

やばい。この前のテレビ放送で住所もバレてたんだ」


警察には電話できない。

まりさんをどうやって助けよう?

あと1時間後には倉庫に着かなきゃ。

僕が行って解決できるのか?

犯人は何人なんだ?


あっ!この前の仕返しに!?

トイレ強姦の奴らだ!間違いない。


ガチャ!


「ただいまー!」

まりさんの声が部屋中に響き渡る。


「え!?なんでまりさんがここに?」


「なんでって?帰ってきちゃダメなの?」


僕はまりさんに駆け寄り、まりさんの顔や身体を触って本人か確認をした。


「イチローくん??もしや好きな人、奈央ちゃんからわたしに移行したの?」


「あ、あ、ごめんなさい。本物だ。良かったー!」


「なんなの?どうしたの?」


「これ見てください」


僕は犯人からの手紙をまりさんと楓に見せた。


「でもこれってまりちゃんを連れて行ったことになってない?」

楓が不思議そうな顔で質問する。


「たしかに。犯人はまりさんと勘違いして連れて行ってるね」


「あ!!ママか!?」

「そうかも」


僕たちはママが間違って誘拐されたという答えに辿り着いた。


「でも誘拐したのはママだと今頃犯人達は気づいているかも」


「ママりんを助けに行きましょう」


「僕に考えがある。まりさんには人質になってもらう。ママとまりさんの交換条件だ」


「え?それだと犯人の願ったり叶ったりじゃないの?私はママりん助けたいから代わりになるのはいいけど」


「倉庫には僕1人で行きます。犯人もどうしようか困っているはずなんで。まりさんは道玄坂のベランダがあるホテルを予約してそこにいてくださいね。

1番高級なところがいいです。部屋番号は僕に教えてください。後で必ず聞きますから」


「わかった」


「ベランダがあれば外に出て手を振って愛想をふりまいてくださいね。楓はここにいるのは危険だからまりさんにシティホテル予約してもらってそこで待機をしてて」


「イチローくん、なんかかっこいい...........」

「お兄ちゃん、なんかかっこいい..........」


「あ、ごめん、これは今日の研修で学んだことを応用しているだけなんだ。アイドルにもしものことがあった時の最終手段て言う講義があって」


「確かに。うちの事務所はなかなか前衛的な対処術もってるからね。イチローくんに任せた」


………………………


ガラガラガラ

僕は時間前に第17倉庫に足を踏み入れた。


「時間より早くきたな。クソガキが。

星野まりの替え玉を用意してやがってつくづくうっとおしいやつだ。替え玉がババアってところも腹が立つ。いっそ殺してやろうかと思ったぜ」


「それはぼくのママだ。僕はママが大好きだ!だから返せ」


ママは頭に頭巾を被せられ何も見えない状態だ。口にもガムテープを貼られてるみたいで声が出せていない。


「なおさら、腹いせにそのママを殺してやろうか。星野まりを連れてくるなら話は別だがな」


「僕は星野まりよりママの方が大切だ。まりさんにはママとの交換条件を飲んでもらった。おまえたちの身体の相手をすることも了承済みだ。だから道玄坂の最高級ホテルでお前達を待っている。そのホテルでママとまりさんの交換だ。そのあとはまりさんとえっちなことを好きなだけすればいい」


「警察に言ってないだろうな。お前のママは人質だからな。ホテルでしか交換しないぞ。ここで手放すバカはいないからな」


「こっちも本気だ。まりさんに電話してホテルの場所をきいていいか?」


「好都合だ。本人からそれが本当かどうかも聞けるしな」


プルルプルル、ガチャ


「はーい、まりでーす」


「まりさん、いま犯人たちと交渉中です。

ホテルの名前と部屋番号を教えてもらっていいですか?」


「マークハイシティホテル501にいるよ。

所在地スクショで送ろうか?」


「お願いします」


「おい!星野まり、本当にいいんだな?」

犯人の1人が大きな声で割り込んでくる。


「イチローくんの言うとおりにします」


「がははははは、いい心構えだ」


「スクショが届きました。お見せしますか?」


「いや、いい」


「提案です。ママと僕を入れ替えてくれませんか?僕でも人質の効果はあるでしょ」


「………だめだ。この女でいく。お前は星野まりが犯されるところを想像してち◯こでも触ってな」


「わかりました。まりさんとのエッチは今日だけですよ。それ以上なら警察に言います」


「わかったよ。一回でも楽しめれば十分だ。じゃあな、俺たちはホテルに向かう」


犯人達はママを黒いボックスカーに押し込んでホテルに向かった。


…………………………


あとがき

イチローはどうやってこの悪人達を退治するのか乞うご期待に☆レビューをよろしくです!




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