正義と悪と言い分と

俺の大切なものを大切じゃないなんて許せない

俺の好きなものを好きじゃないなんてどうかしてる

お前はおかしいんだ

お前のためにしてやったことなんだから感謝されてもいいはずなのに


人の善意を踏みにじるなんて最低だ

お前ごときがわがままだ生意気だ傲慢だ

俺の助けたいように助けられろ

お前はかわいそうなんだから俺に従え


それが何であろうとそれ自体は善でも悪でもない

ただそれをどう使うか、どう扱うか


赤信号を渡ることは悪いことである

でも誰にだって何らかの理由がある

急いで到着せねば友達の生命が危ない

最高に用心していればみんな幸せ、じゃない?


それが何であろうとそれ自体は善でも悪でもない

ただそれをどう使うか、どう扱うか


多様性を大切にすればするほど

一人一人がちゃんと考えてしっかり調べて

いろんなことをきちんと学ぶ必要が出てくる

でもそれってやっぱり面倒臭いじゃん


そもそも一律的な単一性に限界があるからこそ

本来的な多様性が望まれているわけで

女性の外見はいかなる理由があれ褒めてはならない?

“誰”が“誰”に対して“どんな立場”で

“どういう文脈”で“何”をするか


だから、多様性はいまいち望まれないのよね


世の中に無数にあるものは

人の数だけあるものは

正義でも悪でもない

言い分だ

例えば“守るべき世界が正しい”という価値観だとか


同調圧力や相互監視が強いからこそ

みんなで一丸となって一つのことに取り組める

それが何であろうとそれ自体は善でも悪でもない

ただそれをどう使うか、どう扱うか

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