正義の敵の敵

歴史の教科書を見てご覧

勝者の視点からしか語られていないだろう

勝者にとっては”正義が勝った“でも

敗者にとっては”悪に捩じ伏せられてしまった“


最後に勝つのはより賛同者を集めた者

どれだけ人々を巻き込むことができるかどうか

数の暴力 そして暴力こそ正義

敗者にとっては


悪者がいなきゃ正義の味方になれない

倒す敵がいなきゃ英雄になれない


自分の正しさが好きだとは言えても

自分が正しいのだとは言えない

お前の正しさが気に入らないとは言えても

お前の正しさは間違っているとは言えない


正義ばかりじゃ夢がないし

悪ばかりじゃ未来がない


だって善いことよりも悪いことの方が楽しいもん

または正義を守るにも悪が要る


どっちも相手のことを怒ってばかりだと思ってるし

上から目線で口が悪いと思ってるし

自分の考えを押し付ける人間だと思ってて

自分が全て正しい人間だ、と思ってる人間だ、と思ってる


どっちも自分が正しいと思ってる

”自分“も今まさにその状況に陥っているとは思わない

どっちも相手を”自分を正しいと思ってる愚か者“だと見なして

自分のことは見えない


どっちも、そう

決して自分も”そう“だとは思わない

もしもそう思うことができたなら

どっちも次のステップに進めるだろうに


ただ戦いというものは

相手の気持ちを理解した時、負ける

”もしかしたら自分は間違っているのではないか“

”自分のやり方は間違っていたのではないか“

その自己批判は人間としては素晴らしいけれど

けれど、弱い

相手はそこを突く


そしてこの詩は忘却の河の彼方へ


”自分は絶対に正しい“というおぞましさがなければ

戦いに勝つことは、できない


悪意は伝染しやすい

善意はそうではないのとは違い

そして悪意に罹った人間は

”それ“が悪意だなどとは思わない

なぜなら”自分もその一部になってしまっているから”


大衆を操作するなど造作もないこと

そして決着はつく

もちろん最後に勝つのは正義かもしれない

でも普通の人間にはそれまで生き残れている保証などないのだ

その前に戦争で殺されてしまっても

なんらおかしくない


そう最後に勝つのはより賛同者を集めた者

どれだけ人々を巻き込むことができるかどうか

数の暴力 そして暴力こそ正義

敗者にとっては

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