どうせなら善人と呼ばれたい

誰もが誰かに殺してやりたいと思われているものだ

誰かは誰かだ どこかの誰か

それは知り合いかもしれないし、知らない人かも

もしかしたらあなたの友達かもしれない


誰にも嫌われないで生きていくことはできない

人が人を嫌うことは止められない

生きていく、ということは、他人と触れ合うこと

その時、人はどうしても人を傷つけてしまうから


なるほどあなたは”正しい”のだろう

だけどあなたは彼の人生を否定したのかもしれない

“お前のしていることは間違っているんだ”と

そして彼はあなたに敵意を抱く


いかにもあなたの行いは“善なるもの”だろう

彼は自分の過失を認められなくて逆恨み

ただあなたが彼を傷つけたことは

それは絶対に否めない


しかしそれを言うなら彼は彼で

やっぱり自分を“正しい””善なるもの“だと

そう思っているわけだから噛み合わない

どっちも正義の数は唯一だと思ってるから


彼は悪人

あなたにとっては

彼女は善人

あなたにとっては

そうあくまでも自分にとって

普遍的な善悪は、ない


でも間違っているわけじゃない

でもかと言って正しいわけでもない

客観的事実は僕らにはわからない

絶対の正しさはどこにもない


正しさも間違いもなにもない

現実的に見て妥当かどうか

判断基準はそこにしかない

結局はそれでしか収まらない


でもこっちに話し合う気があっても

あっちに戦う気しかないのなら

それならこっちも戦わなければ道はない

諦めて従うのでない限り


どっちも自分が正しいと思ってる

でも正義の追求をしているわけではない

あくまでも自分を正義の側に置いて

相手の悪の追求ばかり


どっちも自分が正しいと思ってて

正義の反対は悪ではなく別の正義だと思ってる

もしも、お互い、

もしかしたら自分が悪なのではないだろうか、と

そう思えたなら


客観性を得られるのに

次のステップに進めるのに

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