見所アラーム
泊まり込み用の各種便利グッズをレビューして個人的に最もお勧めのプライバシーテントの回し者業者のようなレビューを終えたのが昨日。
ダンジョン内に居る限り空腹を感じないがダンジョンを出た瞬間にフィードバックされてしまうので夜食として持ち込んだエナジーバーから好きな食べ物についての話題になったりと、脱線しながらもそろそろダンジョン内に入ってから1日以上経った。
休憩後探索再開して外部時間で18時を過ぎた頃、ついに
わっと増えた視聴者に、恐らく見所アラームが鳴ったのだろうなと察する。
「
【王眼】での鑑定結果から大まかな危険度を想定する。
名前:仲間殺しのジョヴィアック
種族:ハイリザードマン++
生命:S
魔力:B
力 :S+
防御:A
速さ:A
装備:盟友の槍、リザードマンスケイル
生命と力が高く、巨体の割に明確に鈍足になってもいないし魔力もそこそこなので魔法系でのダメージがそこまで伸びるわけでも無さそうだ。
通常サイズから肥大化した全長7メートル程の肉体と脳天から突き破ったように伸びる赤黒い角に同じように無理やり生やしたような皮膜が貼りかけの翼。ハイリザードマンの頃から持っていたであろう槍は仲間殺しの称号を表すように血に濡れたような赤色だ。
旧東京8番ダンジョンという旧系の中では難易度の低めのダンジョンなのでそこまでレベルの高いモンスターが生まれるのか半信半疑だったが、このデミドラゴンはオレの
といっても、それは最終目標の旧東京1番ダンジョンでも同じはずだ。
旧東京1番ダンジョンの最深層の予行練習としても丁度いいモンスターだろう。
「実況する余裕がなさそうなので無言になります」
配信というノイズで負けたなんて事になったら流石にどうかと思うので、配信者失格だが無言宣言をする。
同格以上との戦闘で必要な事はとにかく被弾しないことだ。
相手が格上の場合【闇の衣】の耐性を貫通される可能性があるので、【闇の衣】の制約でまともな装備を身に着けていないオレは一撃で致命傷になる可能性がある。
被弾イコール敗北くらいの感覚で挑まないとあっさりやられてしまうだろう。
こちらの観察を終えたのか、
反応はできている。格上との戦いはS級になるまで何度も繰り返してきたので今更焦りもない。
サイドステップで最低限の動きで回避すると槍が引き戻されるよりも早く走り出す。
槍という武器は中距離でこそ生きる武器なのでまずそのリーチというアドバンテージを生かさせないようにするのが鉄則だと思っている。
魔力の力場で瞬間的な加速力を得たまま鎧に覆われていない足首を切りつける。
生体金属と金属よりも硬いかもしれない鱗が擦れ合って一瞬拮抗するが、生体金属に軍配は上がった。
爬虫類系特有の青い血が吹き出すのを確認するとそのまま名前付きが振り返る前に巨体を駆け上がる。
まず狙ったのは出来損ないの翼だ。
ダンジョンを破壊する時のように一気に剣に魔力を込めると根本から切り落とすように振り下ろす。
無いとは思うが飛ばれては厄介なのもあるが、この手の異常進化した
このハイリザードマンについては恐らく頭の角が弱点になっているだろうが、翼も増えた部位のため無視できないダメージを与えられたと思う。
「グギャアアアァォォォッ!!!」
怒り狂ったハイリザードマンはそのまま壁に向かって思い切り背中から飛び込んだ。
オレを壁との間でプレスしてしまおうという魂胆だろう。欲張ってダメージを受けるわけにはいかないので飛び降りると待っていたのは両足での激しいスタンプ攻撃だった。
通常ハイリザードマンは人間くらいのサイズなのでスタンプ攻撃なんてしないが巨体を得たことで小柄な身体の時と異なる戦法を得たのだろう。
踏みつぶされては低耐久のオレなんて一巻の終わりなので距離を取る。そして距離が開けばまた槍の射程が有効になるのは当然の事だった。
ハイリザードマンの巨体に見合ったサイズの槍はオレからしたら柱も同然なので槍という本来点での攻撃をする武器が同時に面の攻撃となり、それこそ薙ぎ払いなんてされたら大縄跳びのように飛び越えるしかない。
翼を切り落としたことによって警戒心が高まったようで、距離を保つことに専念されてしまった。
しかし、普段めったに使いはしないがこちらだって遠距離攻撃手段はある。
闇属性魔法【ブラックホール】は広範囲に渡る設置型の魔法で、範囲内のモンスターに継続ダメージを与え続ける。
当然ブラックホールを使われたモンスターはダメージを嫌って範囲外に出ようとするが、先程から背後に壁を背負って戦っていたハイリザードマンは前に出るしか無くなる。
一方オレは発動者なので特にダメージはないので積極的に飛び込んで視覚的に姿を隠した上で攻撃をできるし、暗闇の中でも【生命探知】で相手の位置を把握できる。
身体を登ったらそれで位置が特定されてしまうだろうから物質化するほど固めた魔力で一時的な足場を作って一気に頭付近まで跳躍した。
「はっ!」
魔力と気合を入れて剣を角へと真っ直ぐ切り下ろした。
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