ガーディアン戦
ダンジョン奨学金返済ノウハウを話しながらお散歩すること早3時間。
タイトル詐欺が出来ないダンチューブの仕様から本気でこの配信が
視聴者は6人から徐々に伸びて、現在34名。
最終階層のボスエリア前でようやく雑談を中断した。
「まずは前哨戦になります。基本的に過去に行った
偶に凝ったダンジョンがエリアボスと系統違いのガーディアンを生むこともあるがそういうダンジョンは道中ギミックも凝っている事が多く、今回のようにスタンダードダンジョンだと基本的に同系統なので割と楽なタイプの純粋強化系だと思われる。
ミノタウロス系は魔法を殆ど使ってこないガチガチのインファイターなので、ちょこまか逃げられ遅延される心配も削り切る寸前で全回復とか嫌らしい挙動をされることは無い。
オレの特殊スキルは雑魚狩りに特化してると言っても過言ではないため、配信のテンポの為にこのような格下ボスはサクッと処理する。
「はい、入ります。ミノタウロス戦ですが適正レベルのパーティで対応する場合は前衛多めで後衛は回復職のみが個人的におすすめです」
「ブモオオオオオオオオオォォォォ!!!!」
こちらに向かって咆哮するミノタウロスから恐怖のバステを感じるが、パッシブスキル【闇の衣】によってレジストされる。
「この咆哮が後衛殺しなのであまり後衛だらけだと初動からの立て直しが困難になります。耐性装備がない限りは後衛は素直に守られることになるでしょう。前衛職はジョブスキルで恐怖耐性を持っている職が多いので適正レベルであれば回復職を守ることさえできれば物理で削りきれます。ミノタウロスを物理で削り切るくらいがC級の解りやすいボーダーラインなので腕試しにもオススメです」
ミノタウロス師匠と呼ばれている中ボスが序盤に配置されたダンジョンがある位には有名なボーダーラインだろう。
そんな説明をしながらもオレはソロなので参考にならない行動をする。
ミノタウロス相手なら【破滅の誘い】で各種耐性をモリモリ落としたところに【生死の天秤】で即死能力を付与した剣で首にクリティカルヒット、一撃、はいおしまい!
「さて、最終階層のボスを倒しましたがドロップは初級魔石のみ。安定の不味さです。普通のダンジョンだったら中級魔石やミノタウロスの双角などが落ちることを考えると本当にコストカットされてます」
オレのミノタウロスの倒し方に少しざわついていたコメントもあまりのリターンの無さに『クソダンジョン駆除すべき』と一瞬で染まる位には酷いドロップだ。
「さて、ボス討伐後、ダンジョンコアの破壊の為に必須の技能があります……、はっ!」
エリアボス戦などよりもよっぽど気合を入れて魔力を溜め放った剣閃。
特にスキルへと昇華されてないスキル外スキルだがこの手の小技は使おうと思えばみんな使える。
ただスキルではないせいで消費魔力を自力で込めないとならない事、威力の伸びがスキルで消費する魔力と比べるとコスパが悪い事で余程クールタイムの長いスキルを使った後のつなぎか、ダンジョンの破壊にしか使われることがない。
「この様にスキル外スキルでのダンジョンエリアの破壊が必要になります。通常スキルだと込められる魔力が不足していて駄目なのでもし今後
オレが破壊したボスエリアの壁の奥にこぶし大の光り輝くダンジョンコアが浮いているのが見える。
全体的なドロップのショボさ、階層の低さからも解っていたが、やはりバランスが偏ったダンジョンのコアは難易度の割に小さい。
このまま破壊できれば楽なのだが、流石にガーディアン出現前のダンジョンコアの破壊なんてしたらエネルギーの消失余波で大怪我を負いかねない為ガーディアン出現を待つ。
「はい、出現しましたね。鑑定結果ミノタウロス+++。結構盛られてますが想定の範囲内です。見た感じガーディアンとしての特徴は通常のミノタウロスと違い、両手に斧、胸部の防具、一定時間デバフ無効の首飾りをしていることです。C級ミノタウロスは無手、無装備がデフォルトですからA級の
【王眼】で看破したステータスはもっと詳細まで見えているが通常の鑑定ではそこまで見えないらしいので詳細は省いて説明する。
「流石にデバフ無効の首飾りをされていると先程の戦法は使えませんので、素直に殴り合います」
腰を落としてこちらに突進する構えを取るミノタウロスを横目に【盛者の理】で自己バフをかけながらカウンターの構えを取る。
A級のミノタウロスとくればもはや小回りの効く暴走トラックのような物だがオレの一人称視点の配信であればきちんと動きも見えるはずだ。
ミノタウロスが踏み込んだ瞬間、インパクト。
【強者の振る舞い】によって後手行動になった時にかかる各種補正により力で競り勝ったオレは弾いた斧の隙間からミノタウロスの目に剣を差し込む。
オレ自身使っておきながらよくわからない闇のオーラを纏った剣は柔らかい眼球から脳まで勢いよく到達する。
「ブヒィィィィ!!!」
苦痛により悲鳴を上げるが、怒り迸るミノタウロスはこの程度では死なない。
A級ともなれば致命傷程度では死なないのだ。
ただし、格下狩りに特化したオレはここまで削れば後はルーティンで始末が可能なのでほぼ仕事が終わったも同然。返す刀で再度振り下ろされた斧から避けるため突き刺さった剣はそのままバックステップで距離を取る。
刺さった剣が抜かれる前に剣を起点に【
「はい、駆除完了です」
砂のように崩れるミノタウロスの後ろで、光を失ったダンジョンコアが砕け散った。
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