第19話
「あら、猪木さん。レディの足首を盗み見なんてするものじゃなくってよ」
そうなのだ、私の考えは全て彼女に筒抜けなのだ、私は赤面して俯いた。
「まあ純情なのね、結構逞しい身体付きをしてらっしゃるし、ああなる程、武道の嗜みがおありなのね」
彼女の前では、何も隠し事は出来ない。
「お顔を上げて下さいな、七哉さん。純情で硬派な殿方って嫌いじゃないわ」
私は顔を上げるとマダムを見つめた、自分の耳が溶鉱炉みたいに熱を持ち火照り始めるのを感じていた。おそらく顔は既に熟れたトマトの様になっていると思われた。
祖母の面影のある彼女は、涼やかに微笑んでいる。
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