第17話

「おい、マダム待てよ。君が奴を手懐け損ねて取り逃してしまい、俺がこの砂浜で見つけ出すまでの僅かな間に、あいつがこの星の生き物に接触する時間なんて無かった筈だぜ、それより早くもう一度奴を見つけ出さなくては、、、」

しかし、マダムはケンの言葉を遮るとこう告げた。

「⭐︎✴︎✳︎、その点はもう解決済みなの。私の仕事が早いのは、貴方もご存知の通りよ。貴方がこの星のその方、ああ猪木七哉さんと仰るのね、、、。」

どうやらマダムもこの私の事は全てお見通しの様だ。

「そちらの猪木さんとお話をしている間に、奴の事は既に捕獲して本部に引き渡し済みよ。さっき危険因子Vとして対策を進めるつもりと言ったのは、奴が今後これ以上の個体を増やす事が出来なくする処理を施していると云う意味なの。だから問題は、奴がこの星で接触した唯一の個体である猪木さんの身体をこれから調べなくてはならないという事だけなのよ」

マダムはこれ以上は無いと思われる極上の笑顔を私に向けると優しく言った。

「そういう訳けだから申し訳け無いけど、猪木さんには我々とご同行をお願いするわ。すぐそこにあなたの目では捉えられ無いように不可視化した船を停めてあるから、そこで少しだけ猪木さんの身体を調べさせて貰いたいの」

勿論、私に拒否権などある訳けが無い。

ケンは鼻先を私に向けるとマダムに着いて行く様に促した。

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