第14話

私は息を呑む。目の前の男はホクロの位置さえも私と同じで……。

「何だ?驚いたか」 

目の前の私が口を開く。私は、慌てて男の口を押さえた。

「これじゃ、まずいよ。なんだか変な気分だ。君が僕の姿で話すと混乱してしまう」

目の前の私は不思議そうに首を傾げた。そうすると、彼は、あっという間にコリーの姿に戻った。

「まあ、俺はどんな姿にもなれるってことさ。」

私は、コリーの姿を見て安心する。人の言葉を話すコリーなんて……と思っていたが、自分と瓜二つの人間と話すよりはましだ。ケンは驚く私の姿を楽しむように尻尾を振った。

私は、ケンの秘密を知ってしまった。もしかすると、ここからは生きて帰れないのかもしれない。私は、ケンに気が付かれないよう少しずつ後ずさりをする。

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