海からの贈り物

第8話

もしかすると、この得体の知れない生き物は、ツチバチのように今、私の身体に麻酔を打っているのかもしれない。そうして、私はそのまま生贄に……。

そう考えながら、私は黄金の微睡みに溶けていきそうになる。

次第に身体全体が弛緩していく。私は浜辺に崩れ落ちた。わずかに残った感覚で、固い指が私の身体を這いずりまわっているのがわかる。

ギュ、ギュリ、ギュシュ

耳の奥から虫酸が走るようなぎこちのない音が聞こえた。

マズい。奴は私の脳に卵を産み付けようとしているのだ。