第7話
驚くべき事に痛みを感じたのは一瞬である。
次に訪れたのは、意外にも幸福な気分に満ち溢れた時間である。
身体は心地よく温まり、ほのかな芳しき香りに包まれている。心はあくまでも安らかで穏やか。赤ん坊が母親の胸に愛情一杯に抱かれている状態と言うのが近い感覚なのかも知れない。
うとうととまどろみ出す私の脳裏に、かつて少年時代に読んだ一冊の本の記憶が蘇る。
『ファーブル昆虫記ーツチバチの章』
ツチバチは獲物に麻酔を撃ちその身体に卵を産み付けて、生きたまま我が子の餌に供するのだ。
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