自宅へ

 瓜二つとはまさにこのことか。


「お、おいおい……そっくりすぎだろ。どっちが楓か分からんぞ」

「「あはは……よく言われる」」


 うわ、声とか仕草もほとんど同じなのか。これ、シャッフルしたらどっちが本人か分からなくなるな。


「――って、そこの男子はもしかして、お姉ちゃんの彼氏?」


 ジロっと見られ、俺は焦った。

 どう自己紹介すべきか……。

 ここは無難にしますか。


「俺は同級生で東山だ。よろしく」

「東山……ああ、やっぱりね」


 風花は納得していた。

 そうか、やっぱり楓が教えていたんだな。

 なら話は早そうだな。


「風花、この人はわたしを守ってくれたの。だから信用できるっていうか」

「お姉ちゃん、顔真っ赤すぎでしょ。ラブなのね」

「……ッッ!!」


 ん、確かに楓の顔が赤いな。

 もしかして風邪なのか?


「楓、大丈夫か?」

「な、な、なんでもないから!」


 こっち見ないでと何故か怒られた。……どうしたんだろう。


 とりあえず、公園を出て今度は家へ向かうことになった。


「って、家かよ!」

「だって外にいるとトラブルに巻き込まれるんだもん。なら、湊くんの家しかなくない?」


 楓の言う通りだが、風花もついてくるのだろうか。

 てか、なにげに女子を招くのはこれが初めてなんだが……! 緊張しかないわけでして。両親にどう説明すればいいんだ。


 だが、その前に家に到着してしまった。


 背後には楓と風花。

 二人の美少女がついてきてしまった。


 なんだこれ、夢か……?


 俺の家に女の子を招くとか、前代未聞。天変地異が起きてもおかしくない。



「…………」


「「どうしたの?」」



 同時に反応されるとは。

 やれやれ、もう腹をくくるしかなさそうだ。



「どうぞ、上がってくれ」



 俺はこうして楓と風花を家に招き入れた。本当に良かったのだろうか……。なにも事件が起きなければいいのだが――。

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