第14話

クモが顔の近くを横切る。

ヒテナはよく眠れなかった。

今にも壊れそうな廃屋で寝たのだから、

当たり前か。

ミテナも同じだろう。

そういやクナはどこだ?

寝る時は一緒にいたはずだが。

その時、玄関の扉が開いた音がした。

「クナ?」

「もう起きてたんだ」

クナは少し疲れているようだ。

「どこに行ってたんだ?」

「散歩」

クナの考えは相変わらず読めない。


ここは教会から少し離れた場所だから、

買い物ぐらいならできるだろう。

もう少し時間が経ったら行こう。

「おはよー」

ミテナが起きてきた。

「2人とも、兵士が来ないとは限らないから、

周りに注意しといてね」

いくら教会から離れたって油断は大敵だ。

教会を襲ったのは、敵の大将を殺すためだ。

私達の親を殺した戦争を行ったのが、

その大将だ。

普段は城に住んでいて、殺すのが難しい。

だから、大将を城の外に連れ出さないといけない。


たしかその大将の名前はアスペロだったか。



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