第15話
そろそろ買い物に行ってくるか。
「私は買い物に行くから、おとなしくしてるんだよ」
「はーい」
少し心配だが、大丈夫だろう。
私は大通りにある大きなスーパーに行った。
「ねえ、クナ」
「なに?」
家に残ったミテナは、暇だった。
「なにか食べたいのある?」
「無い」
「クナは冷たいなー」
ミテナはソファーの上で寝転がっていた。
「そういや、クナの能力は?」
「教えない」
クナとは話が続かない。
しばらく静寂が続いた。
「ガサッ」
誰かが入ってきた。
強盗か?
「おい、動くな、大人しくしろ」
違う。アスペロ兵だ。
おそらく1人だ。
私にはミテナのような能力は無い。
でも人、1人ぐらいならどうにかなるはず。
クナは後ろに隠れている。
少し争っても、巻き込まれないだろう。
兵士が持っている槍に掴み掛かる。
「ナニッ」
そして兵士を押し倒す。
兵士の首に手をかける。
「ヒイィ、やめてくれ」
「命だけは、」
ミテナは兵士に跨りながら考えた。
なにも殺さなくてもいい。
「わかった、武器を捨てろ」
「もちろんだ」
兵士が槍を床に置いた。
そしてミテナが立ち上がった時だった。
兵士が腰に隠していた短剣を取り出し、
ミテナの腹に突き刺した。
「ハハハッッ、油断した方が悪いんだよ」
「アハハハハッ」
兵士はミテナの返り血で真っ赤になりながら
叫んだ。
「ごめんヒテナ、」
ミテナは目を閉じた。
だんだん意識が遠くに感じる。
クナの泣き声が微かに聞こえる。
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