第4話
キーンコーンカーンコーン。授業の終了を知らせる音が鳴る。
俺含めクラス全員喜びの表情を浮かべて立ち上がる。
「気を付け、礼。」
日直の掛け声にしたがい礼をする。
俺が一息ついた次の瞬間にはすでに教室は賑やかな雰囲気になっていた。
授業を受けているときの雰囲気とは天と地ほどの差がある。
1時間目が終わったが
なんだ今日は休みなのか…
明らかにやる気がなくなるのが感じ取れた。これではせっかくの休み時間が台無しだ。気分でも変えようと机の中から朝読んでいたラノベを取り出し
トントンッ。肩を2回叩かれた。この行動はついさっきされたことである。
振り返り俺の自信に満ちたその予想を確かなものに変える。
しかしそこには
えええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!
少しがなりを入れた心の声は驚き以外のすべての感情を失ったかのように思われたがそれはすぐ違うものへと変わっていった。
「お、おはよう
「おはよう
遅刻してきたと感じさせないくらい彼女は涼しげな表情だった。
「えーとなんで遅れたか聞いてもいいかな…?」
「ええもちろんよ。でもここでは話しづらいことだから後でね」
「そうなのか無理に言わなくてもいいけど」
遠慮しながら答える。しかし本音は一応聞きたい。いやめっちゃ聞きたい!
だってラブコメの代表例で言ったら、「私じかんにルーズなの~」の天然タイプとか…※遅刻は基本的にいけません。「いきなり寝坊しちゃったわ!てへっ☆」みたいなのとか…!?オタク的キモめの妄想を
「いえ遠慮しなくてもいいのよ。昨日あんなことを言い合った仲じゃない」
賑やかな教室が一気に静寂へと変わる。クラスメイトのほとんどがこちらを見ている。そのクラスメイトの中にはもちろん今朝怒りを滲ませていた男も含んでいる。
七宮の発言に背筋が凍った。ああ俺ここで死ぬんだぁ~。
クラスメイトからの視線に気づかないフリをしようと頑張っているところで七宮はさらに俺の耳元に顔を近づけた。
「今日の放課後…ね」
周りに聞こえないよう俺に耳打ちし、七宮は席に着き2限の準備を始めた。
前の席に座っている男が今朝とはまた違った表情でこちらに振り返ってきた。
「光くぅ~ん…あんた美少女と何があったのかな~?詳しく聞かせて貰いたいなぁ~!」
俺はまるで仏様のような顔で数秒間正彦と見つめあったあと本気で謝罪した。
昨日の放課後あったことすべてを話し誤解を解こうと必死になって説明した。
そして時すでに遅しとはこのことだ。俺が七宮に一目惚れをしたこと含めすべて正彦に打ち明けた。説明しているときは恥ずかしさで死にそうだったが以外にも正彦は納得の様子をみせた。
「なるほど。お前の気持ちは十分わかった。でもな親戚を勝手に〇すのはどうかと思うぜ…」
うぅ…すまんおっちゃん…
俺の罪悪感ゲージがさらに高まっていく。
「まあでも話したそばからいきなり一目惚れねぇ。それでいきなり告白したのか?」
「してないわ!」
即座にツッコミをいれるが傍からみたら昨日の声のかけ方は告白(ナンパ)と捉えられてもおかしくない声のかけ方だったかもしれない。
可愛いのは事実だがもっと他に何かマシな言い方があったはずだ。
いきなり可愛いなんていうなんて今思うと恥ずかしすぎる。昨日の俺を殴ってやりたい。
「ああそれと正彦。実はだな放課後予定が入ったんだ」
「さっそくお楽しみって訳か」
俺を揶揄うようにして言う正彦の表情にはもう怒りは感じられなかった。
「じゃあ放課後の喫茶店の件はなしだな」
「すまんまた今度で頼む」
「気にすんな元は不謹慎なことを言ったお詫びだ。まあ全部嘘だったけど。なんかそう考えるとまた腹が立ってきたな…」
また怒りモードに突入するかと思いきやすぐさまいつもの笑顔に戻った。
「そうだな喫茶店には彼女と行くことにした!」
なんかこう色々嘘を重ねてしまったが結果的には数少ない友人を失わずして済んだことに感謝そして正彦にも感謝しなきゃな。
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おはようございます。いぬまんまです。
なんだかんだ友達って大切ですよね…!
今後光と七宮はどうなっていくのか…!?次回にご期待ください!
少しでも面白い、続きが気になると思っていだたけたら是非応援レビュー・感想などなどお待ちしております。
ではここまで読んでいただきありがとうございます。
本日も良い1日をお過ごしください~!
会いたいときに会える彼女 狗まんま @inu_manma
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