第2話
クラス発表があった日。今日はまだ授業という授業はなく午前中にお偉いであろう方のお話を聞いて下校という流れだ。
体育館に集まり校長先生の話を聞いている最中俺はというと朝教室に入ってきたあの黒髪の彼女のことを考えていた。もちろん話など聞いていない。
それからしばらく今朝の彼女の姿に思い
帰りのホームルームが終わって、俺は勇気を出して彼女に一声かけてみようと意気込んでいた。教室中を見渡し彼女を見つける。
彼女は間違いなく美少女と言われる顔立ちであり、モデルと言われるような美しいスタイルだ。
俺が席を立ち向かおうとした
「よお
「悪いけど今お前と話してる暇はねぇんだ」
俺は正彦との会話を後にし彼女の方へと向かった。
もうすでに彼女は教室からでており廊下を歩いているところだった。
俺は勇気を振り絞って声をかける。
「ねえき、きみ!名前は」
「私ですか?」
「うんそう君!」
初めて聞いた彼女の声は透き通るようでまた少し話し方からはミステリアスさも感じた。
「
俺は彼女の名前をしっかりと脳裏に刻み込むことに夢中で少し返答が遅れてしまった。
「ああごめん。俺は
少し待たせてしまったことに対しての軽い謝罪と自己紹介を済ませたところで七宮は俺に聞いてきた。
「それで桜庭君は私に何か用だったの?」
「用って訳じゃないんだけど…その~可愛いなぁって思って」
俺は思ってることを全部口にしてしまった。
しまった。これ絶対キモいって思われるやつだ…
しかしそんなやってしまった感満載の俺の思いとは裏腹に七宮は
「あーそう?ありがとう」
すこし照れ隠しをしながらもクスッっと笑ったその顔はまさに天使が現実に現れたようだった。マジかわいいんですけど。これって本当に3次元の女の子だよね!?
「ごめんいきなり。キモかったよね」
「いいえ。全然そんなことないわ。むしろ私を誉めてくれる人なんてなかなかいないから」
初手からミスった…と思ったがこの様子だとどうやら好感度はそこそこらしい。
しかし俺の頭にははてなマークが浮かんだ。これほど容姿端麗であり、今話した雰囲気だと友達も多そうで褒められる機会も多そうで俺とは正反対なのにどうしてだ。
「誉めてくれる人が少ないのはなんでだ?」
デリカシーのない質問をしたとは思っている。しかし今の俺は七宮のことをもっと知りたいという探求心で溢れかえってた。
しょうがないじゃん!好きな子のことは誰だって知りたいでしょ!
「私小さいころから引っ越しなんかが多くて。だから今年この高校に転校してきたの」
「そうなんだ。色々大変だね」
引っ越しの大変さは俺にもよく分かる。俺も小さい頃は引っ越しが多くて新しい環境に慣れるのが嫌になっていた時期もあった。
「さっきから思ってたんだけどあなたデリカシーないわね」
「ご、ごめん!」
俺はすぐに謝った。が彼女はどうやら怒っているわけではないらしい。
少し笑顔でこちらをからかうように言ってきた。
「でも私のことを知ろうとしてくれてるのよね。でも私あなたが思ってるほどいい人じゃないわよ。確かに見た目はいいと自負してるわ」
こんなデリカシーのないただの一般男子高校生が急に可愛いなんて話かけてきたら速攻逃げるにきまってる。絶対いい人だよ。
そして自分で見た目がいいと遠慮しないのもまた違ったよさがあるなぁ…
頭の中がお花畑になってきたところで。
「私今日はバイトがあるから。また明日ね」
「ああまた明日」
七宮は可愛く手をふり俺に別れの挨拶を告げた。俺もそれに答えた。
一方その頃友達に会話を拒否され教室にポツンと佇んでいる一人の男がやっと目を覚ましたかのように立ち上がった。
「あいつバイトもやってねぇのに用事だぁ~?」
正彦は多少の怒りと不信感に
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どうもこんにちはいぬまんまです。
2話もしっかりと書き終えることができました。
ボリュームは他の作者さんの作品に比べると少ないと思いますが、頑張って更新していくつもりなので引き続き応援よろしくお願いします。
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