第16話 母の気持ち
りり「想太…離婚してほしい。」
想太「は?なんで?」
りり「毎日喧嘩して子供達にも悪影響だしもう想太とは一緒に暮らしたくない。」
想太「ちょっと待てよ。おれは離婚するつもりない。」
りり「お願い。もう解放して…。」
それでも離婚はしてくれなかった。
何日も想太に離婚を切り出したがその度に断られる。
りり「もういい加減にして!!私の人生返して!!お前のせいで人生めちゃくちゃなんだよ!こんな地獄みたいな日々!!」
私が発狂しても想太は認めなかった。
きっと今まで私にも落ち度がある所はあったと思う。想太も精神的に来てたのかもしれない。
でも離婚したら普通の暮らしが出来ると思った。
私がこの人を選んだ責任だ。私が決めたんだから自分の責任。そう思って何年も我慢したがもう無理だった。
何度も想太を説得してやっと想太の親に離婚させて下さい。と話す事を条件に離婚してくれた。
りり「私の給料と児童手当を合わせて3人が住む家探して引っ越すから使わないでね!」
そうお願いをしていた。
想太の実家に行き義母義父に話をした。
りり「離婚させて下さい。もう想太から解放されたいです…子供達は私が見ます」
義母「お金が無くてお金を貯めたいなら子供達はこっちにやる方がいんじゃない?」
りり「いや、私が見ます」
義母「そうか。わかった」
そうやって話が終わり離婚の手続きに市役所に行き
家庭裁判所に行き早く終わらせる為に動き回った。
だが私の給料と児童手当は支払いに回された。
次の想太の給料で返すと言われたが結局返されない。それが数ヶ月続いた。
りり(これじゃ意味ないじゃん…)
ある日想太は私に借金を作ってくれとお願いしてきた。
もちろん想太はすでに3社から借金を作っていてもう借りられない。
私は断った。
何度お願いされても断わり続けた。
私が仕事中想太から長文LINEが送られてきた。
そこには
どうしてもお金を借りて欲しい
借りたお金は俺が責任を持って返して行く。
迷惑はかけない。お願いだ。
そんな事を長々と送ってきた。
私はわかった。と言ってしまった。
ある日私は実家に帰った。
離婚をした事はもうお母さんには伝えている。
年金暮らしで全然お金が足りなかったお母さんも姉に消費者金融からお金を借りてもらっていた。
それにお母さんはパチンコ依存症だ。
私達にパチンコのお金を借りに訪れた時もあった。
だが気にならないぐらいお母さんは優しかった。大きな愛で私を包んでくれた。沢山相談を聞いてくれた。沢山花札で遊んでくれた。子供達ともいっぱい遊んでくれた。
お母さんも仕事を探すが年齢で引っかかる。
どこも雇ってくれない。パチンコ依存症の自分を変えたい。と病院を捜したりもしたが上手くいかない。
お母さんはいつも精神が落ち着く薬を昔から飲んでいた。この薬が切れるとちょっとした事で腹を立てる。
お母さんはパチンコに行くと元気になる。嫌な事全部忘れるし痛かった体もパチンコに行くと痛く無くなる。不思議だよね。と私に言っていた。
母「お母さんもパチンコやめたいよ〜お金もないのに…仕事も探してるけどこの前も年齢でダメって言われたよ。お姉ちゃんにお金も返さなきゃいけないのに、よく返せって責めてくるし…。」
お母さんは姉とはあまり仲が良くなかった。何年か前に姉は実家に引っ越してきて一緒に住んでよくお母さんと喧嘩をしたみたいだった。
りり「お金が尽きるまでパチンコするのはよくないけど、お母さんがパチンコ行く事によって元気になったり体の調子がよくなったりするなら私は行ってもいいと思うよ」
母「りりは優しいねえ」
お母さんの全部忘れたい気持ちが分かるから私はそう言った。お母さんのりりは優しいね。が頭から離れない。
実家に帰った時私はお母さんに借金を作った事を話した。
言わなくていいのに、親に話したら心配するのは当たり前なのに、嫌な気持ちになるのに、そんな事も考えず私は話してしまった。
そしてGWの中私はまた実家に帰った。
お母さん「今日はりりが夜ご飯作る?」
りり「いいよ〜じゃあ唐揚げ作るね!」
私は家族みんなの夜ご飯を作った。
次の日の朝お母さんは子供達を連れて公園に遊びに行った。帰ってきたと思ったらお母さんはパチンコに行ってくる。と言いそそくさと出ていった。
5月5日子供の日
いつもパチンコに行った日は23時頃帰ってくるが今日は待っても帰ってこない。私と姉は心配して何度か電話をかけたが出ない。
変な心配をするがまさかと思いその日は就寝した。
次の日になっても帰ってこないので行きそうなパチンコ店を探し回ったがどこにもいない…。
私達は警察に捜索願いを出し、仕事の為家に帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます