第14話 義母の裏切り
義母「怒らせとけばいんだって〜ほっとけほっとけ」
りり「想太、毎回怒ると物にあたって殴ったりするんですよ…子供達もびっくりするし。」
義母「えーそうなの?」
りり「子供達が想太を呼んでもシカトするんです。」
義母「もういいから。その話は。早く寝なさい」
もういいその話は。義母はそう言った。
私はこれ以上何も言えなかった。
りり(なんでも言ってね。ってずっと言ってたじゃん。結局聞いてくれないじゃんよ。)
それ以降義母の事は信じれず義母に対して嫌な気持ちを持つようになった私は一切想太の事は相談しなかった。
以前から私は想太が怒り出すと
私の脳みそが【ぎゅうぅぅ】っと締めつけられる感覚になるようになった。毎回毎回大きな声を出す度に。大きな音を出す度に。
ある日私は子供達を連れてママ友と遊びに行った。
この人は想太の上司の奥さん。
ママ友「ちょっとしまむら行きたいから行ってもいいー?」
りり「いいですよ〜行きましょう」
ママ友の車に乗り雑談しながらしまむらに向かった。
お店に着き、お互い別々で見だす。
りり(私も服欲しいなあ。あっ!これ可愛い!1980円かあ…生活出来なくなるし無理だわ。)
ママ友「りりちゃんも何か買ったら?せっかく来たんだし!」
りり「いやーでもあんまお金持ってきてないんで。ここでお金使っちゃったら想太に怒られちゃいます(笑)」
ママ友「想太くん怒るかな?あっ私、あっちみてくるね!」
りり「はーい。」
私はレジ横に置いてある割引された服を見ていた。
りり(この服、あーやって着たら可愛いかも。値段は300円…でも生活費が無くなっちゃったら…。想太、服買ったって知ったらキレてくるかな。)
ママ友「その服欲しいの?」
りり「んーそうですねえ。300円だしちょっと悩んでます。」
ママ友「300円なら想太くん、何も言わないよ!買っちゃいなよ〜」
りり「そうですね…買いましょうかね!」
私は少しビクビクしながら300円の服を買った。
子供達のオムツやらミルクが入った鞄に
その服を隠すように入れた。
その日の夜は想太の実家に行き皆んなでご飯を食べ終えた後に想太が何かを探し始め、鞄をさわりだす。想太は酔っ払っている。
りり(やばいっ。そこには今日買った服が入ってる…)
想太は買った服を見つけ義母達が居る前でその服を上に持ち上げた。
想太「なにこれ?」
私は言い訳するかのように言った。
りり「あっそれ前に300円だったから…」
想太「へーそうなんだ。」
想太は何も言わなかったが、義母は何か思ったかもしれない。こんな時に服なんか買って。そんな風に思われたかもしれない。
私は気まずくなりタグを切っとけばよかったと後悔した。
私はお母さんに電話をした時にこの事を話した。
りり「〜こんな事があってさー!めっちゃ気まずかったんだけど!!想太も出さなきゃいいものを義母の前で出すからさ〜焦ったわ」
母の気持ちも考えずに…。
何も考えずに私は話した…。
電話の向こうでお母さんは泣いていた。
帰ってからも今までと同じ生活が繰り返えされた。
引っ越してきてから2年程が経った頃想太は今の仕事を辞める決意をした。勤続年数約12年。
想太の良いところは前向きな所だった。
心配な事があっても、大丈夫。なんとかなる。そう言って何事にもプラスで考えるような人だった。
仕事もほぼ休んだ事はない。
だが仕事の上司のパワハラやら家庭でのトラブルのせいで想太も参っていた。
想太は仕事を辞め、私達はまた家を借り引っ越した。
引っ越しも終わり想太はすぐに仕事を始めた。
義母の実家から車で5分の所にある場所に家を借り
私もすぐにパートを始めた。
そこは小さなパチンコ店。
私がパート初日から1週間後、43歳の新人が入ってきた。
教える人がいなかったっていうのもあり、私が開店作業を教える為に付いた。
りり「りりって言います。宜しくお願いします♪」
新人「りりちゃんね!宜しくね〜」
りり「私も1週間前に入ったばかりなんで仲良くして下さい!」
それからこの新人のおばさんとは仲良くなった。
おばさんはよく自分語りをする人だった。
おばさん「私の旦那は見た目すっごい怖いのよ〜皆んな怖がるの。」
りり「そうなんですね〜」
おばさん「でも中身は優しいのよ?それと私結構お金もってたのよ!1000万ぐらい。もうそんなないけど〜生活には困ってないわ」
りり「えー凄いですね!」
おばさんはこの職場に入って3日目で自分の事を沢山話しだした。
他には1ヶ月前に入った33歳の前歯が無い女の人がいた。大人しくて口数が少ない人だった。
私含め皆んな早番専門。
33歳は必ずどこかしら痛がっている。
それを出勤する度に一緒になったスタッフに休憩所で報告してくる。
「頭痛い」
「お腹痛い」
「足が痛い」
「体調が悪い」
体調が悪いから労ってくれと言っているように。
「大丈夫ですか?」と一言いって毎回聞き流した。
43歳のおばさんはすぐに33歳に対して裏で不満を言うようになった。
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