第12話 俺とお前じゃストレスの度合いが違う。


○月○日

りり「ねえー車検の事なんだけど個人でやってるとこの方が無駄に請求されなくて安くすむって!」

想太「いや、でもちゃんと見てもらいたいから俺は買った会社で車検通す」

りり「でも5万ぐらい違ったりする時もあるみたいよ」

想太「いーや、俺はしない」


○月○日

想太「今日はすき焼きにしようぜ〜作り方母ちゃんに聞いてみよ」

りり「私知ってるよ?最近作ってないから調べてから作るけど」

想太「母ちゃんに聞いた方が早い」


○月○日

りり「結婚指輪さー何にする?」

想太「そうだな、結婚指輪必要だね。でもどこで買うんだろ?母ちゃんに聞いてみよ」


○月○日

想太「車検さ!個人でやってるとこの方が安いらしいよ。今度からそうしてみようかな」

りり「いや、それ私前に言ったよ?」

想太「えっ?聞いてないよ!」


○月○日

りり「想太ー?」

想太「……」

りり「想太!」

想太「……」


想太は私の話をほとんど聞かない。

聞いてるふり

私の言った事は信じないで基本義母か幼馴染達の言う事をきく。それが凄くストレスでもあった。


りり(母ちゃん母ちゃんて…何で私の話は聞いてくれないの…)


私は余裕がなく家事が疎かになっていた。

部屋は片付いていない。

洗い物はそのまま。

ちゃんとしていたのは洗濯物とご飯。


引っ越してきてからお金が極端になかった。

想太「給料、前借りできるからしようかな」

りり「前借りした所で給料日に貰えるお金が減ってまた前借りしてのループじゃん!やめな。

それに一回前借りしたら癖つくからやめて」


それでも想太は言う事を聞かなかった。

職場の人にも義母にも私の親、姉にもお金を借りた。

想太は人からお金を借りる事に対して

何も思っていない。平気で嘘をついてお金を借りる。

そしてお金がない私達は毎日のように喧嘩をした。


想太「りりのお母さんにお金借りられるか聞いてみて」

りり「嫌だよ。お母さん達も年金暮らしで大変なんだから」

何度も聞いてこいと言われた。

拒否する度にキレられる。


私は電話したフリをして断られた事にした時もあった。


想太「親に聞いてみて。お前の姉ちゃん貸してくれないかな?」

りり「無理だよ」

想太「じゃあどうすんだよ!!!お前がどうにかしろよ!身体売ってでもお金作ってこいよ!!」


想太は発狂した。

想太はキレるとよく物に当たる。

大きな声を出して物を蹴って壁を殴り大きな音で脅してくる。

毎回のように。

次の日私はお母さんに電話をして泣きながらお金を貸してほしいと伝えた。



想太の物も私の物も売れる物はある程度売った。

結婚指輪も売った。

お母さんと旅行に行って買ってもらった私の宝物にしていたネックレスも売った。

売る気はなかったが想太が目を付けたらおしまい。

最初は断るがキレられるのが怖くて最終的に売ってしまう。


りり「お金借りるのやめない?自分達でどうにかしようよ。子供達のミルクやオムツはちゃんと買って

お金がなかったら私達のご飯を無くせばいいじゃん。」


想太「その話今しないとダメなの?俺は仕事で疲れてんの。お前は家にいてストレスもないだろうけど俺は人を相手にしてんの。俺とお前じゃストレスの度合いがちげーんだよ。」


想太「子供といるだけで遊んでるだけじゃん。お前のどこがストレスが溜まるんだよ。」


想太「俺が養ってやってんだからちゃんとしろよ」


喧嘩する度に言われる精神を追い詰めるような言葉。

それが1、2時間続く。

終わったら優しくなる。の繰り返し


想太「りり、ごめんね。おいで」


お金がなくても想太は有るお金で飲みにいく。

帰ってきたらすぐにゲーム

出勤までずっと寝てる

だから育児はほとんどしない。

ちょっと休みたくてリビングが見える部屋に一人で行っても

3分もすれば子供達を見ろと言わんばかりに想太に呼ばれる。

疲れてても子供達は泣いて母親を求める。

みあが「パパー!」と呼んでもゲームに夢中でシカトばかり。


私は何回目で気づくか数えた。

みあ「パパ?パパ?パパ!パパー!」

想太は10回目でやっと返事をする。


想太が日中寝てる時に子供達が泣いたり

うるさくしようものなら、舌打ちをする。

私はそれに毎回ビクビクしながら

子供をすぐにあやす。


想太はご飯にうるさい。味ではない。量だ

お金が無くて中々量が作れないと

想太「これだけ?」

3品作ると

想太「多くない?」

お酒を飲む想太には必ずつまみを別で作らなければいけなかった。

食費を浮かせる為に私は食べない日もあった。

一緒に食べてる時も私のご飯をチラチラ見てくる。


りり(食べてる気がしないわ…私だってお腹空いてるのに)

りり「食べたいならあげるよ」

私は少し強い口調で言った。

想太「いや、いいよ」


私の息抜きはお母さんとの電話

悩みをいっぱい話した。

親には心配かけたくないから話さないって人が多いと思う。だが私はお母さんしか気軽に相談出来る人がいなかったのもあって大好きなお母さんによく相談をしてた。友達みたいに仲がよかった。

お母さんも私しか悩みを相談する人がいなかったからお互い相談をし、よく1時間は電話をした。


毎月ガスは止まる

携帯も止まる

電気も止まる…

同じように順番にとまっていく。


お風呂はケトルとガスコンロで熱湯を作り湯船に溜めていった。


住んでるとこは田舎。

車もなければ子供2人抱えて行ける距離にスーパーなどない。


りり(なんだか孤独だなあ…)





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