第11話 無神経な旦那。


知らない間に義母が入ってきてた。

後日想太に聞くと断れなかったと言う。


陣痛の波で痛みがくるとそんなのどうでもよくなる。


想太が私の汗を拭いてくれる。

ハンカチはビチョビチョ

絞れる程に汗をかいた。


助産師「もう少しですよー。頭見えてますからね。頑張って」


赤ちゃん「おぎゃあぁー」


可愛い可愛い女の子が産まれた。

名前は《みあ》


自分の事も人の事も愛せる…

皆んなから愛される

私の愛する娘

沢山の愛情に包まれた人になってほしい。

そんな思いでみあと名付けた。


1週間の入院生活が終わり家に帰る。

出産から数ヶ月経った頃には外に散歩に出たり実家に遊びに行ったりした。


泣いてはミルクをあげオムツを変え

抱っこしてあやす。

まだ笑わないのに笑わせようと必死な私。

夜中のミルクは睡魔との戦い

ミルクあげてもまだ泣いてる…

オムツでもない…あれかな?これかな?

慣れない育児で毎日が手探り。もちろん睡眠不足


想太は最初だけたまにミルクをあげたり、たまにお風呂に入れてくれた。

オムツは一切変えない。


想太「幼馴染の皆んなで飲みするからお前も行こ。」

りり「今日はいいやー…疲れてるし。」

想太「えーもう言っちゃったから無理だよ。」

りり「いや、やっぱ来ないって。って言えばいいじゃん。」

想太「無理!いいから行くぞ」



想太「今日飲みするからお前もこいよ」

りり「行かない」

想太「皆んなに来るって言ったから無理だよ。焼肉だぜ?美味しいお肉食べられるんだからこないと損!準備して待っててねー」


どんなに睡眠不足でも疲れてても私に拒否権は無い。

私より6個上の想太の幼馴染はもちろん全員歳上。


大体毎回集まるのは7〜8人

行く度に気疲れする


想太「女の人って凄いよね〜俺びっくりした!出産すると乳首が黒くなるんだね!」

りり(はあ?バカなの?それ私の乳首が黒いって皆んなに言ってるようなもんじゃん)


皆んなが食べてる枝豆が入ったお皿に

自分が吸ってるタバコの灰を落とす。

りり「今灰落ちたよ?」

想太「え?あー大丈夫大丈夫!」

りり「大丈夫じゃなくて!これ皆んなが食べるやつじゃん」


ある日想太と想太の元同僚と近くの居酒屋に行った。

想太は不倫した事を面白おかしく話し始めた。

元同僚は腹を立て想太を殴る

喧嘩が始まった。


想太「何すんだよ!!」

元同僚「お前何笑って話してんだよ!」

想太「だからって殴る事ねーだろ!」

元同僚「りりちゃんがどんだけ辛かったかわかってんのか!」


私はまだ小さいみあを抱え外に出た。

終わる気配がなかったからそのままみあと2人で帰る事にした。

りり(想太大丈夫かなー…)

想太が少しして帰宅してすぐに布団に入る。

私は想太のほっぺをさすり

りり「大丈夫?痛かったでしょ?」

想太「うるせーよ!触んなっ!もとあと言えばお前が悪いんだからな」


私は呆れて何も言えなく怒りでいっぱいになった。


飲みの場で想太の軽率な発言や行動で

嫌な気持ちになる事はいっぱいあった。

子供もいるのに遅くまで飲み会は開かれる。

幼馴染さん達の前でも想太を良いようには言えなくなっていた。

私が口を開けば想太の悪いとこを発言する。


不倫された時から好きの気持ちはなくなっていた。

だが片親にするつもりはない。兄弟を作ってあげたい。

もしかしたらまた好きな気持ちが戻るかもしれない。

寄り添って何かあった時は都度解決できるように話合う。

そんな気持ちだった。


だが想太が遅番の日は日中ずっと寝てる

子供が泣けば舌打ち


りり「想太ーこれについて話合おう。」

想太「疲れてるから今度ね」


りり「これはこうしない?」

想太「その話今度でいいよ」


ろくに話合いなんて出来なかった。


想太は会社の上司にかなりストレスがあるようだった。

昇格する為に勉強もした。

長い残業も沢山した。

手を出される事もあったらしい

だけど私達の為に我慢した

私は会社の愚痴を毎日聞いてあげた。


たまに想太は休みの日出掛けよう。って言ってくれる。

私は当日楽しみに起きて準備をする。

だけど想太は起きない…

りり(もう15時だ…)

毎回起きて出かけられるのは15時〜17時

そんなのが当たり前だった。


私は一時保育を利用してパートを始めた。

収入は多い時で8万ぐらい。

私には任せられないと言ってお金は最初から想太が管理している。

私が管理をするって言ってもカードを渡してくれない。

買い物も想太と一緒に行き、買って良いのは今日の分だけ。


私が使えるお金はほとんどない。

それなのに想太はよく飲み会に行く。

しっかり2次会3次会にも行く。

たまーに服は買ってくれた。


異動から2年が経ち想太はまた異動になった。

異動先は隣の県

想太「今の車はもう沢山走ってるしこれから何度もこっちに帰る為に行き来するから車買い替えようと思う」

りり「いや、無理でしょ。お金もないのに。毎月いくらよ?」

想太「わかんない!とりあえず話だけ聞きにいってくる」

りり「せめて買うなら新車じゃくて中古にしなよ。」

想太「まだ買うかわからないよ?何があるのか見てみたい」

りり「んー話だけならいんじゃない?」


想太は話を聞きに車屋さんに向かった。



プルルルー…

りり「もしもし」

想太「今車屋にいるんだけど、今日買う事にしたから。」

りり「は?何いってんの?お金はよ?中古にしなって。」

想太「いや、もう契約の流れで引き返せない」


この時もっと強く止めておけばよかった。

私は毎月の支払いを聞いてすぐに計算した。


りり(ほとんど使えるお金ないじゃん!はあ…想太の借金もまだ残ってるのに。)


新車で買った車はやっぱりピカピカだった。


案の定その後はお金に苦しめられる。

お腹の中には第二子がいて出産が近かった。

みあを産んだ病院で第二子を産んで異動の為

新生児を連れて県外に引っ越しをした。





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