第10話 慰謝料請求したらお前はクビ


私は女の髪を切ってやろうと思いハサミをテーブルに置いた。


想太「そのハサミで何すんの?」

りり「あいつの髪を切ってやるの」

想太「そんな事したら傷害で訴えられるからやめとけ」

りり「は?こっちは全部我慢してんの。まあ切らないと思うけど置いとく」


インターホンが鳴った。

ピンポーン


想太が出て家の中にいれた。

不倫女は眼鏡をかけたショート髪の細めの女


私と想太、不倫女と絶賛不倫中の坂本主任で話合いが始まった。


初めに坂本主任が話し始めた。


坂本主任「この話合いに関してまずお願いがあるんですが、1つが手を出さない。もう1つがこの話合いで全部終わらせる。をお願い出来ればと思います。」


りり(ちッ何こいつ?不倫してるくせに。

しかも何この女。やるならもっと可愛い奴にしろよ)


私は不倫女に話しかけた。

りり「おいっブス。何してくれてんの?私達のお家に泊まって楽しかったですか?」

りり「聞いてんの?もう子供も産まれるんだけど?自分が何したかわかってんの?彼氏いるんだろ?自分がやられたら嫌だろ。それを人様にやって楽しいか?」

りり「ブス聞いてんのかよ」

不倫女「はい…」

りり「紙に不倫しました。って書いて背中に貼って町歩いてこいよブス」

想太「……」

りり「すみません…」

坂本主任「奥さんはどうしたいですか?」

りり「慰謝料を払って貰います。」


坂本主任は不倫女に聞いた。


坂本主任「払える?」

不倫女「払います…」


私は紙とペンを用意して不倫女に書かせて

母印を押させて話合いは終わった。


まだ子供だった私は大人の対応が出来なくて

冷静に話す事が出来なかった。

強気に出てるが心臓はバクバク。

悪いのは女だけではない。男はもっと悪い。


その紙を持って私は実家に帰った。


母「どうだった?」

りり「とりあえず慰謝料請求して紙に書かせて母印押させた」

母「よくやった!頑張ったね。」


お母さんは私を褒めてくれた。


何日が過ぎて想太から電話がきた。

プルルルー…

りり「はい」

想太「店長から言われたんだけどさ、奥さんが慰謝料請求するなら俺をクビにするって…。

請求しないならクビにはしない。でも移動になる」

りり「は?じゃあ辞めれば?」

想太「子供も産まれるし今職失ったら…」

りり「また私が我慢すんの?」

想太「ごめん。だから請求しないで欲しい。」

りり「確かにお前が悪い。悪いのは女だけじゃないけどそれも了承したら私全部我慢してんじゃん。

つーか親に言ったの?」

想太「まだ言ってない」

りり「なんで言わないの?」

想太「タイミングがない…」

りり「まあいいわ。クビになって生活出来なくなるなら…もういいよ。それで。」

想太「ありがとう」



私は慰謝料請求をやめた。

想太は移動になったから今住んでいる社宅を

早急に出なくてはならない。


引っ越し費用なんて無い。

出産予定日まで2週間を切ってる。


想太「俺の幼馴染にお金借してってお願いする。

だからりりも一緒に来てお願いしてほしい。」

りり「嫌だよ。人にお金借りるなんて恥かしい。自分がした事でしょ?自分でどうにかしてよ」

想太「お前が居た方が借りやすいじゃん!」

りり「嫌だってば。私は人に借りるのも貸すのも嫌いだから!」

想太「お願い」


結局私は一緒にお願いしに行く事になった。


夕方車を走らせ夜には想太の幼馴染のお家についた。


想太が事の経緯を話す。


想太「だから10万貸して欲しい。」

幼馴染「お前もう少しで子供産まれるんだぞ。なにやってんだよ。まあそういう事なら構わないけどちゃんと返してね」

りり「すみません…ありがとうございます…」


こうして私達はバタバタで引っ越しの準備をして

無事に移動先の近くに家を借りる事が出来た。

私の実家から車で20分程。


予定日間近だった私は引っ越しをしてすぐに

陣痛が来て想太に連絡した。

少し経った頃帰ってきて2人で病院に向かう。


りり(痛い…痛すぎる…でもネットで読んだ。お母さんが痛い時、赤ちゃんは苦しいって…この痛みに耐えたら会える…)


痛いが定期的にくる。

りり(ゔぅぅー…)


義母「きたきたきた」


りり(ん?この声義母じゃない?なんでいるの?恥ずかしいから入れないでって言ったのに…)




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