第9話 話合いで来た第三者も不倫中


実家についた私はお母さんに話をした。


りり「お母さん…想太に不倫されてた…」

母「えっ!?ほんと?なんでわかったの?」

りり「帰ったらお泊りセットがあった」

母「それはひどいねえ。でもりり、男は不倫する生き物だから…。でも家に泊まらせるのは許せないね」


お母さんはそれだけ言って私を慰めて

私が落ち着くように寄り添ってくれた


夕方頃、想太から電話がきた。

出るつもりはなかったが電話が鳴り止まない…


しょうがなく電話に出た。


りり「はい。」

想太「りり、ごめん。今からそっち行くから話そう」

りり「話す事なんて何もないんだけど?気持ち悪い」

想太「明日の仕事は休ませてもらった。店長が話をしてこいって。りりが職場に来てしまった以上、どうなったか言わないといけないし。」

りり「あっそ。じゃあくれば?」

想太「夜には着くと思う」



私は離婚するつもりはなかった。

気持ち的にはしたかったがもう少しで

子供が産まれる。


子供を片親にしたくない気持ちが強かった。

私が両親に愛情を沢山もらいながら育ててもらったように

自分の子には親2人揃って愛情を注ぎたかったから。


だから私は条件を付ける事にした。


想太が私の実家につき車の中で話をする事にした。


想太「ごめん…本当にごめん…もうしないから

許してとは言わない。離婚はしないでほしい」


想太が私を触ろうとする。


りり「触らないで!!気持ち悪い」

想太「離婚するの?」

りり「うん、離婚しようと思ってる」

想太「ごめんって…なんでも言う事聞くから」

りり「だから気持ち悪いから触らないでって言ってんじゃん!!」

想太「……」

りり「いつからよ?」

想太「1ヶ月前から」

りり「へー。まあ、子供も産まれるし離婚はしないであげるけど条件がある。

携帯に入ってる女の連絡先を全て消す。

お酒は飲んでいい曜日を決める。毎日飲まないで。

次やったら離婚。

自分の親に全部話をする。

最後に女と直接話をさせて。」

想太「わかった!お酒はもう飲まない!曜日とかじゃなくてもう飲まないよ!」

りり「約束して破られたら嫌だから曜日決めて飲んで。お酒大好きなのに飲まなかったらストレス溜まると思うし。」

想太「わかった。ありがとう」

りり「後、私のお母さんに土下座して謝れ。」


それで私はお母さんを呼んだ。


想太「お母さん、ごめんなさい。ごめんなさい。」


想太は膝をついて謝った

土下座ではない。膝を地面に付けただけ。


りり(はあ…糞だせえわ。)


お母さんは優しい口調で想太に言った。


母「想太くん、想太くんがやった事はいけない事だけどもうしてしまったものは仕方ないから。もうしないでね。りりを悲しませないで?

でも、家に泊まらせるのはひどいんじゃない?」

想太「はい、もうしません。ごめんなさい」


これで私達の話合いは終わった。

後日想太が店長に報告をし不倫女と話合いをする事になったが会社からのお願いで第三者を含めて話合いをしてほしいとの事。


第三者は職場の家族持ちの坂本主任という奴。


想太「第三者で坂本主任がくるんだけど、前に職場の女の子と主任が不倫してるって話したの覚えてる?そいつなんだよね。」

りり「は?そんな奴がなんで仲介に入るわけ?無理」

想太「わかる。りりの気持ちは分かる。だけど話合いの時不倫してる事は話に出さないでほしい。」

りり「なんで私が我慢しなきゃいけないの?」

想太「そうなんだけど、それとこれは話が別だから…」


私は納得出来なかったが不倫女と直接話が出来るならと渋々了承した。


りり「てか想太の親に話したの?」

想太「まだしてない。」

りり「早くしてよ」


話合いは4日後。

それまで私はお母さんと花札したり沢山喋ったり

気を紛らわせた。


余談だが、10代の頃から私はお母さんと2人で花札をしてた。

お母さんとやる花札は別格に楽しくて

夜から朝にかけてまで爆笑しながらよく遊んだ。


妊娠中もそうでない時もお母さんと何度も暇電をした。

たわいもない話で盛り上がり悩みや相談、

何でもお母さんには話した。

ご飯を一緒に作ったり、作ってあげたり。

実家に帰っても大体はお母さんの側にいた。


お父さんは無口で頑固な人だった。

沢山怒られたけど愛情たっぷりに育ててくれた

あまり会話はなかったけど

私はお父さん、お母さんが大好きだ。


私は親離れ出来てなかったのかもしれない。




そして4日後話合いの為に家に帰った。

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