第5話 過ちの始まり(あったのは借金でした)



あれから数日が経ち、私は病んでいた。


恋人だと思ってた人に浮気され病むなんてよくある話だ。

いや、浮気相手だったのは私。


りり(そういえば、私達がリーダーと一悶着あった日

こうして、あぁしてって女が指示してたけど

よく考えてみたら全部私が嫌な役になって

女はいい顔してない?えっ?私使われた?)


りり(職場内でも皆んなが聞いているインカムで「りりさんて男みたいな性格してるよね!男かと思った」とか私を否定する事をちょくちょく言ってたな…)



ご飯もろくに食べれずどんどん痩せていき

顔色もよくなかった。

職場の人達数人にも一切理由は話ししてないが

心配された。



だけど1か月程経ったら気持ちが晴れてどんどん顔色も戻ってきた。


なのに…


リーダーはまた私に近づいてきた。


リーダー「りりちゃんっ!遊び行こう!女とはもう連絡も取ってないしまったく好きじゃないから!俺はりりちゃんが好き」


りり「本当?」



そう。私は馬鹿だ。

この時気づいて追い払っとけばよかったものの

純粋すぎた上にバカだから信じた。

私のリーダーに対する好きの気持ちは無くなったのに

すぐ戻って来やがった。



この間違った選択から全てが始まった。

ここから苦しくなる人生に変わっていった。



この数年後、この時の出来事に対して私はこう気づく


【女の方に行けなかったから私の所に来たんだ。】と。

気づくのが遅すぎた…

なんで分からないんだ…


私はそれに気づかないまま何ヶ月も付き合った。

付き合ってる間は問題もなく、女性関係のトラブルもなく楽しく過ごした。


ある日リーダーは新店の移動を言い渡された。

今住んでる所から通うのは大変だ。


※ここからはリーダーを想太とする。


想太「会社が普通の賃貸を社宅として用意してくれるみたいだから一緒に行こう?」


りり「でも一緒に行くならここの職場辞める事になるけど…」


想太「うん!辞めて一緒にいこ!」


りり(そうだなあ。あの虫がいっぱい出る実家も早く出たいし、親も早く自立してほしいだろうし。着いていくか!)


りり「わかった!!」


そうして私達は無事に引っ越しをして同棲生活が始まった。

これまた家は古いマンションの1DK


引っ越し代は会社が出してくれた

新しく使う家具は私が出した


想太「俺は支払い物を出すからりりは食費や生活費を出して」


りり「うん」


プラス 私の車のローンが残っていて引き落とされていたから

貯金は底をついた。


りり「そういえば想太って貯金いくらあるの?」


想太「んーとね、俺がカードを持ってると甘えて使ってしまうから母ちゃんに預けてる。

だからいくらあるか分かんないや」


りり「そうなんだ!」

(自分の性格をちゃんと理解してそういう風にしてるの偉いな。貯金ちゃんとしてるなら大丈夫か)


りり「いつから始めたの?」


想太「覚えてないけど結構前から始めてるからある程度貯金されてると思う)


りり「へー!」


私はこれ以上聞くのは失礼だと思い聞くのをやめた。



私は気づかなかったんだ

普通に信じてた

貯金なんてしてなかった事。

結婚した後に知った。

貯金ではなくあったのは借金だった事。






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