コックと泥棒、その妻と愛人のラストのあれ:芸術とエロ、ファミリー向け映画とテロ

 一時期グリーナウェイの映画を色々と観ていたことがある。

 芸術がわかるふりをすればもてると信じていた頃の話である。

 当然ろくな感想は出てこない。

 時折やたらとぼかしが多くなる画面を見つめながら、うなずくだけである。

 一人でやっている分には痛々しいだけですむ。

 だが、他人を巻き込んでしまうのは良くない。


 『ピーター・グリーナウェイの枕草子』にいたっては当時付き合っていた子と一緒に観た。

 彼女の感想はぼかしがはずれて当時の若手イケメン俳優のナニかが見えたというものであった。

 ちなみに私の感想は最後の相撲取りがエヴァンゲリオンみたいでかっこいいというものだった。

 私はただのバカだが、彼女は頭の良い女性であった。そんな子にあんな感想を言わせて本当に申し訳ないことをしたと思う。


 でもね、本当にエヴァンゲリオンみたいでかっこいいから、枕草子あったら家族で鑑賞してね(関係ない人まで引きずり込む怨霊スタイル)。

 あとね、人の身体に料理載っけて突きたいとか思ってるエロエロな人には『コックと泥棒、その妻と愛人』がおすすめだよ(呪詛フリースタイル)。


 そういえば、昔、レンタルビデオ屋に行ったときに『ダンサー・イン・ザ・ダーク』がファミリー向けコーナーに置かれていたことがある。

 『サウンド・オブ・ミュージック』とかと並べて置かれているのだ。

 いやまぁ、たしかにどちらもミュージカル仕立てだけどさぁ。

 あれはテロだったのか、それとも観ていなかったのか。

 どこかの家庭で実害が出ていないことを祈る。

 あれ、やった人、出てきなさい。おにいちゃんおいちゃん、怒らないからね。

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