ホワイトルシアン:集中力がないのにプースカフェ
プースカフェ、各材料の比重の差を利用して、鮮やかな層をつくる素敵なカクテルだ。
もてたい一心で道具と酒を買い込んだ私だ。こんなかっこつけられるカクテルにチャレンジしないわけはない。作るところを見せつけて、間接照明の下ドヤ顔をしながら、女の子に差し出し、「君の瞳に乾杯」とささやく。それだけを夢見て、練習した。しかし、ついぞ成功しなかった。集中力が致命的にないのだ。
マドラーづたいに少しずつ注ぎ、鮮やかな色を重ねていくにはどうにもせっかちすぎた。
気をつけているつもりでも、乱暴に注いでしまう。グラスは筆についた絵の具を洗い落とすバケツになった。
せめて二色ぐらいはなんとかならないものかと練習し、失敗作を何度も飲んだのがホワイトルシアンである。
ウォッカとカルーアを混ぜた上から生クリームを注いでいくが、どうしても本のように綺麗にはならなかった。
胃の中に入ったら一緒じゃ!
毎回のように捨て台詞を吐いては夜中にドラマを見ながら飲んでいたことを思い出す。
根気強さと丁寧さはどこにいけば買えるのか、誰か教えてください。
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