鯉こく:続それは恋の話

 実はそれなりにモテた。

 もちろんこの駄文は似非物語の嘘八百であるから何を書いても良いわけだ。

 というわけで少し震えながら宣言をさせてもらう。

 私は実はそこそこモテたのだ。

 

 モテモテというわけでもない。

 常に相手がいたというわけでもない。

 ただ誰か人づてに素敵みたいに言われることがそこそこあったというだけだ。盛大に話を盛りながらいくつか自慢してみようではないか。

 「黒石くん、売約済みでなければなー」って言ってる子、何人かいたんだよ。

 ○大の子たち、廉さんと一緒に飲みたいから合コン組んでくれって言っていましたよ。

 実はこの前、黒石さんって黙っていればかっこいいなって話してたんですよ。

 笑わないあの子が廉さんの冗談で笑いころげてて、「黒石先輩素敵だよね」とか言ってましたよ。

 試合の時、あの上段の人、かっこいいって女の子がキャーキャー言ってましたよ。


 常に後からである。

 もしかしたら、からかわれていただけかもしれない。

 いや、からかわれていたのか。

 お前ら、みんなして俺をからかっていたのかちくしょー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る