カリフォルニアロール:ローリングアタック

 次郎丸(仮名)は我が家序列最下位である。

 おやつをあげるのも太郎丸(仮名)が最初、次郎丸(仮名)があと、散歩帰り、家に入るのも太郎丸(仮名)が先、次郎丸(仮名)があと、撫でてもらうのも太郎丸(仮名)が先、次郎丸(仮名)があと、徹底している。


 しかし、見方を変えると彼は末っ子でもある。

 この末っ子は自分の立場を利用して甘えるのが得意である。


 太郎丸(仮名)がおもちゃで遊んでいると、走り寄って奪っていく。そのおもちゃで遊びたいのではない。太郎丸(仮名)が遊んでいるおもちゃが欲しくなるのである、この末っ子は。

 太郎丸(仮名)が暇そうにしていると、走り寄って転がって腹を出して甘える。

 全力ダッシュからの回転甘えでは太郎丸(仮名)に強烈な蹴りが入っている。さながら大車輪キックである。ローリングアタックである。

 おもちゃを取られようと、大車輪キックをくらおうと太郎丸(仮名)は次郎丸(仮名)を許している。


 溺愛している。

 そのぶん、彼はつまらないときには次郎丸(仮名)にマウンティングをしたり、転がしたりとやりたい放題である。

 そんなとき、次郎丸(仮名)はうにゃうにゃと吠えながらも、されるがままである。

 見ていて飽きない。

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