タコ: タコグルメビル
実は純文学と大衆文学の違いがわからない。わからないから発表媒体や賞でとりあえず区別している。
この手の区別は文学研究の場では聞いたおぼえがなかった。
文学作品の価値を論じたりすることはないからだ。少なくとも私が学んだところでは美学的視点が取り入れられることはなかったはずだ(居眠りしていて聞き逃した可能性はある)。
というわけで、区別のできない私はそのことを特に気にせず、なんとなく読んで楽しんでいる。
面白いものは面白い。かっこいいものはかっこいい。もちろん、それが万人にとって当てはまるというつもりはない。私が面白いと思い、かっこいいと思う。それだけである。
タコグルメビルというものが好きな小説に出てくる。
理屈はいらない。
好きな一節(?)があるので引用してみる。
コレハコノアタリデッ、
ユーメーナモノッ、
デントーノイッシツデッ、
オブツマトッ、イイマスッ、
アアッ、セカイノッ、ドコニダシテモッ、
――ハ、ズ、カ、シ、ク、ナーアーアーイ――
(笙野頼子 『レストレスドリーム)
問答無用でかっこいい。声に出して叫びたい日本語だ。
アアッ、セカイノッ、ドコニダシテモッ、
――ハ、ズ、カ、シ、ク、ナーアーアーイ――
ホラー小説でもないのにどこまでも不安にしてくれるし、どこまでも居心地が悪い。
このような表現ができるものはもうすごいエンターテイメントではないか。
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