エスプレッソ:木登りと本
本の経験の中にはとても恐ろしいものと、とてもうらやましく感じるものがあった。
うらやましく感じるもの代表は食べ物だが、これについては以前も書いた。
食べ物の話はいくらでも出てきそうだが、そればかり続けていると腹が減って仕方がない。
だから、たまには別の話を書いてみよう。
『窓際のトットちゃん』という有名すぎる作品がある。
あの作品を読むとキャラメルが食べたくなる(ちなみに蟹工船を読むとキャラメルが食べたくなくなる)。
食べ物の話は書かなかったではないかと言うのは少しだけ待って欲しい。
子供の頃から食欲のために本を読んでいるような私であるが、どういうわけかあの本にはキャラメルよりも心惹かれるものがあった。
木登りである。
小児麻痺の子が木に登る、そのようなエピソードを読んだあと、私も無性に木に登りたくなった。
私は健康体であったが、臆病な上に運動音痴(俗に言ううんちというやつ)であった。ちなみにどちらもいまだ直っていない。
ただ、それでも木に登りたくなった。
校庭の木の一本に狙いをさだめ、休み時間ごとにチャレンジした。
どのくらいで登れるようになったかは憶えていない。
ただ樹上で読む『窓際のトットちゃん』は格別に面白かったことはしっかりと憶えている。
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