ドルチェ:外国語と料理(三)
旅先でその土地の人たちと同じものを食べるのが好きだ。
これは単なる格好つけでもあるが、やはりあの人たちが普段何を食べているのか知りたいという知的好奇心でもある。痴れ者といわれたことは多数あれど知恵者と言われたことが皆無な私でも食がからめば多少の知的好奇心はわくのである。それに大抵の場合、そちらのほうが美味いし安い。食い意地のはった貧乏人にはとても魅力的なのだ。
そういうときに外国語というかその土地で話されている言葉ができると便利である。
あるいは言葉ができて頼りになる人が身近にいても良い。
中国のある大都市に行ったときのことである。
私自身は勉強したにも関わらず中国語ができなかった。しかし、ありがたいことに友人が日本語の堪能なガイド(友人の友人)を頼んでくれた。
しばらく話をしたあとに、昼飯のことを聞かれた。
大変申し訳無いのだがと前置きして私はお願いをした。
レストランでなくてよれよれのおっさんがいるところに連れて行ってくれと。
私の友人も路地裏に引き寄せられていくおかしな男であったので、ああ、またかと思ったのかもしれない。
彼は苦笑しながらも細い道を先導してくれた。
高層ビルがならぶのと同じ街にあるのが不思議な小さな路地。
鉄板で調理する料理人も客も一様によれたランニングシャツの小さな店。
注文してもらった焼きまんじゅうを酢醤油につけて食べる。
本当に美味しかった。
残念なのは一人ではこれを注文できないことだ。
これから外国語を学習しようという方、語学の選定の際に食べ物を基準にいれて考えることをおすすめする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます