ぼういんぼうしょくの巻
冷菜:ツルツルと
人前で話すことがある。
得意ではないが、避けてもいられない。
自分よりも知識のある人の前で話すときは、小細工をしない。そのような余裕はないといったほうが正確か。
話を聞くぜモードに入ってくださる人の前では平易な表現を心がけるだけにとどめる。
問題は、知識と聞く気どちらもそれほどでもない人に話す場合である。
硬い話だけでは肩が凝ると思って、ところどころに小ネタをはさむ。
びっくりするくらいに受けない。
正確に言えば、若い人にはびっくりするくらいに受けない。
年配の人は一応受けてくれるあるいは受けたふりをしてくれる。
たまに後で面白かったと言ってくれる人もいるのだが、たいていはシラッとしている。
私が冷たい視線に快楽を感じるようになったのは、一種の防衛反応なのだろう。
ああ、羞恥プレイ……か・い・か・んとでも思わない限りやっていられない。
笑いに厳しい若人たちの前で今日も私は華麗に滑る。
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