第5話 なかま


 ぱんくずくんとおこめくんが、友人になっている間、ころもちゃんたち、3人は、日常会話から色々な話を、しているようだ。


「この辺りも、見尽くしたし、そろそろ移動したくね?」


 そう言うのは、食パンの食べかすギャルである、ぱんくずちゃんだ。


「僕もそれは思うよ。安全でも面白みには欠けるよ。」


 こちらのキザなポテトチップスは、ぽてちくんだ。


 ころもちゃんも、アジフライの衣の食べかすであった。みんなとは友人となり、3人で一緒に行動している。


「ころもちゃんはさ〜何かしたい事とかないの?」


「そうだね、もしかしたら、周りに誰かいるかもしれないし、少し探索してもいいかも!」


 ふたりは、ころもちゃんの提案に笑顔で頷くと、どこ行くー?などと話し合いし始める。


「探索だなんて、レディもなかなかアクティブなタイプなんだね!」


 嬉しそうにぽてちくんは言う。彼の出身は土の中だったそうで、そこから間もなく工場と呼ばれる場所に移動し、気づいたら袋の中だったそうだ。

 それなのに、食べかすになってしまったのだ。ずっと狭い世界しか知らなかった彼からしたら、探索や探検は、好奇心をくすぐるのかもしれない。


「ぽてちくんは、どこか行きたいところはある?」


「僕はそうだなぁ、選択肢がありすぎて、選びきれないよ!」


「じゃあ、ぱんくずちゃんは?」


「あたしは〜…実はちょっと気になってるとこあんだよね、でも危険を伴うかもだし?」


 ぱんくずちゃんの提案は、トースター付近との事だった。彼女は、食パンがトースターから取り出される際に、落とされまいと食パンに、しがみついていた子だった。もしかしたら、その時に落とされた同士を探したいのかもしれない。

 しかし、トースター付近は、人が多く行き交う場所でもある。危険を伴うは、あながち間違いでもないのだ。それでも、仲間を探したい。その想いは、ころもちゃんと、ぽてちくんには、伝わっている。


「僕はレディたちに委ねるよ!」


「わかった、作戦を立てて気をつけながら行こう。危険とわかったら早めに戻ろう!」


「まじ!ありがとう〜!ころもちゃん!ぽてちくん!」


 こうして、ころもちゃんたちはトースター付近を目指し、作戦を立てはじめる。和気あいあいと作戦を組む、ぱんくずちゃんとぽてちくん。その横でころもちゃんは、思い出していた。

 仲間を探したい、仲間に再会したい。そう聞くと、思い出さずにはいられない存在。彼はまだ生きているだろうか、生きていて欲しいよ、ころもくん。と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

たべかすちゃん @ymarmn_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ