#51 TV中継録画と公開録画
大阪地方局は本社と言えどもスタジオは少ないから
当時は スタジオにお客さんを入れて という形より
公開録画が主流でした まあ小ホールで無料観覧なら
すぐに一杯になりましたしね
他にもスタジオに来てもらうとお土産（メモ帳やペン）や
交通費を一人一人に渡さなければなりませんし
遅くなればタクシーチケットが必要にもなりますが
ホールなら自腹で来てもらえますからね
ちなみに 関テレといえば中継録画は宝塚歌劇です
付いて行きたかったけど これは本公演をそのまま録画するので
中継スタッフのみが行きました
担当プロデューサーは宝塚の達人で 仕上がった映像を見ながら
出演生徒の名前を全部言っていきます テロップ担当がそれを
メモして お名前テロップを入れるんです
主役はともかく 後ろで踊ってて瞬間アップになる人や
5人コーラスの一人一人の名前を言うと 周りのADさんから
「お～っ！」という感嘆の声があがります ADさん達には
舞台化粧が濃すぎて 全部同じ顔に見えてますから
公開録画は色々ありましたが 私が連れて行ってもらえたのは
〝爆笑寄席〟という 吉本新喜劇の番組です
することは 会場前に並んでいる人たちがこちらが発行した
入場整理券を持っているか確認して
開場時には少しずつ区切って 走り込みの事故防止
そして 退場の際の案内と事故防止です
まあ ほとんどヒマです
舞台稽古も後ろの扉から見てました 新喜劇の人は舞台に慣れてるし
段取りも決まっているので その時は私服にスリッパばきとかで
舞台上で位置や間合いの確認を軽くする程度なんですが
主役級だった 坂田利夫さんだけはすでにメイクも衣装も万全で
本気で体を動かしてギャグをしてました
覚えているのは 首まで入るミノムシの衣装？に入ってピョンピョン
しながら出て来て 本気で転がって大きな声出すのにびっくりした事です
周りの人たちも苦笑しながら付き合っていましたけど
なんか いい人なんだなあ と思いました
そうやって 覗き込んでいた時 後ろから突然 パコ～ンと叩かれた事が
あります ちゃんばらトリオ という４人組のお笑いグループの
メインギャグのハリ扇チョップ用の 巨大なハリ扇でです
耳に衝撃くる程の大きな音がしましたが 痛くはなかったですよ
アルバイト二人 ビックリして振り返ったら グループのてっちゃんが
「チョコレート食べ」 と言って差し出してくれました
後に悪いうわさも流れましたが その時はとっても優しいおじさんでしたよ
他の公開録画番組に〝娘をよろしく〟というのがあって
今なら タイトルからして問題かもですが 結婚の決まったお二人と
彼女さんのご両親を呼んで 色々エピソードを聞く番組です
他局で今もやっている〝新婚さんいらっしゃい〟や高視聴率を誇った
〝夫婦善哉〟と似た企画です 当時結婚とか夫婦の話題は受けてたんですね
彼氏の知らない娘のエピソードや 親が驚愕する二人のなれそめ話等で
盛り上がり 最後は娘から両親への手紙で泣き笑いして終わります
今や 結婚式の定番ですが これが始まりではないかと
私は思っています
担当Pは丁寧な方で 出演後ご両親へのお礼状 出演時の記念写真を送り
結婚式への祝電は欠かさず 録画は上書きされて消えてしまうので
総てのカップルの資料を紙で整理保存していて〝子供が生まれました〟
というようなお便りを嬉しそうに付け加えていました
この番組に 外国人力士の草分け高見山が出演した時の話です
婚約者は日本人で そのご両親の他に プロデューサーは内緒で
ハワイの高見山のご両親も招待していました
まだ ハワイと言えば簡単には行き来できない時代でしたから
番組は大盛り上がりで 大成功でした
その後です ハワイのご両親から制作部にお礼の小包が届きます
開けてみると 見た事もない南の島のフルーツが一杯 すっごい香り
「みんなで食べて」 プロデューサーは簡単に言いましたが
見た事もないフルーツです 剥くのか割るのか 身だけ食べるのか
皮や種も食べるのか 皆目見当がつきません
バイト一同で あ～でもないこ～でもないといったのを思い出します
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