#48 TV局にビデオはなく フィルムはバケツリレー方式

ドラマが全編生放送で演者も制作側もついでに視聴者も

ドキドキという時代がもう終わっていた頃にアルバイトしてた私

ドラマはフィルムで撮影編集され放映されていたのが一般的でした


これで演者さんのスケジュールも組みやすくなって 誰もが知る方が

出演される事も多くなりました とは言っても 映画スターは別格で

「テレビなんかに出られるかい」という風潮が強く 映画スターが

格下のテレビに出たというだけで話題になり「あの人も落ちたもんだ」

と言われたのです 

だから大部屋や劇団から新人俳優を発掘して来たり 

名前は誰でも知っているけれど 最近は活躍していないアイドルスター

やお笑い畑の人に声をかけたりして作られた番組が多かったですね

遠い憧れの対象の大スターが活躍する重厚な映画とはまた違う 

身近で親しみやすくて応援したくなる そんな人気者がテレビから

沢山 生まれました


収録にビデオフィルムが使われるようになった時期を 私は知りませんが

一度 使ったテープを再利用して 別の作品の収録ができるというのは

画期的だったと思います 

その為に 永遠に見ることができなくなった作品も多いのですが


〇曜8時は全国一斉に同じ番組というネットワークシステムがまだまだ

特別企画だった頃です 番組のフィルム編集が終了して(完パケ)

放映が終わると 一片40センチ位の(厚みは5センチ位だったかな)

厚い革製のケースに丸いリールに巻かれたフィルムを納めます

それはドラマだけでなく バラエティーや歌番組、お笑い等色々あります

レコードのドーナッツ盤のように(分かりにくい?)20センチ程の

ちいさなケースは 5分程で毎日放送するシリーズものです

(日本の城シリーズとか庭園シリーズとか 世界の車窓から みたいな)

これは局製作ではなく そういうシリーズを専門に制作する会社から

購入(レンタル?)するのです


ここからがバイトのお仕事 放送済みのフィルムバックを書類を見ながら

全国の各地方局の名前の付いたボックスに仕分けしていくのです

大阪には各地方局が支社(といっても事務所)を出していて その間を

グルグル走り回るバンが到着したら そのボックスを積み込み

関テレ宛てのボックスを受取ります(中身はシリーズの続きとか返却品とか)

地方局と事務所間は基本一日一往復便があるので ボックスは本社に送られ

ようやく その地域で放映されるのです 

そしてフィルムは 次の地方局へとバケツリレー風に送られます


だから大阪で5話を見てから出かけた旅先で3話を見る てな事が起こります

5分程のシリーズものは一週間分まとめて移動する事が多く 

順番が飛んでたり 開けてみたら外書きと違う巻が入っていたりも

ありましたのう (ほぼ同じじゃん と思ったけど編成はメッチャ怒ってた) 




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