#44 野良犬とか見た事ありますか?

〝一匹狼〟と違い 〝野良犬〟は人に使う時も侮蔑的です

野良犬って最近見かけませんよね 野良犬を見かけないのに 

毎年〝処分〟される犬が減らないのは

なぜだ? と思っています 絶対対策すべき事だとも


ただし ここは昭和の話です

普通に野良犬が町をうろついていた時代の話です

私が犬が苦手になった体験談を2つ話します


一つはまだ幼い頃 先を歩く母を必死で追いかけていたら

突然 後ろからカプッと太ももをかまれました

           その位の背丈だったんですね 

ビックリして振り返った時 

真っ黒な犬の目に白目が見えていたのを覚えています

        今でも 犬の白目は小型犬でも怖いです

その後 とんでもない騒ぎになりました 

近くにいた大人が一斉に黒犬を追い払い 

驚き過ぎて泣いてもいない私を お姫様抱っこしたおじさんが

近くの開業医に飛び込みました 医者がすぐに消毒して

念のためと予防注射をしました(記憶の断片つないでます)

縫ったりするような傷ではなかったです 

嚙みかけてすぐ大人が追い払ってくれたか 甘噛みだったのかと

今は思っています


なぜ そんな騒ぎになったのか 

当時 かなりの確率で野良犬は狂犬病を持っていたからです。 

もしその黒犬が狂犬病を持っていたら 私は死んでいました

     今でも 狂犬病の致死率は100%に近いと聞いています

野良犬は時に群れをなして 町中を歩いていましたが 通常は人と犬は

お互いに攻撃する事はなく えさを与える人もいました

でも 突然人を噛んだら犬はどうなるのか


怖い記憶はまだ続きます しばらくたって 近所のおばさんが

「はやくはやく 野犬狩りだよ あの犬が捕まるよ」と呼びに来ました 

母とおばさんとアパートの5階の踊り場に上がって野原を見下ろすと 

野犬狩りの男たちが黒犬と戦っていました 

死に物狂いの黒犬と 先に針金の輪が着いた長い棒だけ覚えています

「大丈夫 大丈夫これでもう怖くないよ」と誰かが言ったから

泣いてたのかもしれない 自分が噛まれた事がこんな怖い事を起こしたと

ずっと長く 心が沈んでいました

     人を噛んだ犬は保健所の重点ターゲットになるのは 今もですが

     当時は狂犬病の犬が多かったので どんな手段使っても確保が

     絶対 だったのだと思います


もう一つの思い出は 高校位の時 郊外の友人の家に遊びに行った帰り道

人気のない住宅街で 後ろに野良犬が着いてきたのです

もうその頃 町中では野犬を見る事はなくなっていたのに

一匹 二匹とついてくる犬の数が増えていき 明らかに距離を詰めてくる 

犬が5~6匹に増えた時に人通りのある駅前の通りに抜けました 

振り返ると犬は全員?姿を消していました

一時は だめかもしれないと思った 本当に恐ろしい記憶です


なぜ 郊外にはまだそんなに野犬がいたのか? 

隣接する山に犬を捨ててたからです 時に車で運んでまでして

      実際 ドーベルマンが無駄吠えするといって捨てに行った

      という人を知っています

      「もし山から戻ってこれたら また飼っても良かったが

       帰ってこない やっぱりアホやった」と言ってました

      人に飼われていた犬が山で生き残るのは難しいでしょう

      でも 生き残れば生きるために群れを成す

      犬を捨てる行為が罰せられるようになって よかったです

  

昔の漫画には ダンボール箱に入れて捨てられた子犬がよく出てきました

大抵は それを見つけた子供たちが 何とかしてやろうと親にお願いしたり

原っぱに牛乳を持って行ったり というホノボノな話でしたが

(昭和の前中期頃は実際によくあった話です)

その前に「いい人に 拾われるんだよ」と言って

泣きながら捨てていった人間のごく無責任な言葉と行動を 

まるで優しい人のように受け取ってしまった事は しっかり反省して

犬を飼う事の責任を しっかり伝えて行かないといけないと思っています

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