#41 婚儀にまつわるETC 初期の式 1

ようやく結婚式の話にたどり着きました

神前 仏前 教会 人前 とそれぞれ時代によって

はやりすたりもありながら 続いていくと思ってたけど

最近は届をだすだけも多いみたいですね


ここからは 私が確かに見たか聞いたかの範囲のお話を

書いてみたいと思います


祖父母の結婚は大正ですが 第一子の母が昭和元年生まれ

なので 昭和みたいなもんという事で

といっても ねじ込むほどの情報はないのですが

写真を見ると祖父は紋付羽織袴 祖母は黒地の振袖に高島田

で写っています

     この後 戦前の写真で祖母は丸髷を結っていますので

     この高島田は地毛で結ったと思われます


二人は見合い結婚 といっても見合ったのは双方の母親で

本人同士は式当日が初対面だったと聞いています

結婚写真の背景に床の間や違い棚が写っているので

式と披露宴は自宅ではなかったかと思います


時代劇で描かれるように 新郎新婦が座敷の上座に並んで座り

その両脇に仲人夫婦が向き合いって座り そこから下座へ

親戚や客がずらりと向き合って座り 

両親は婿側嫁側それぞれの末席に座ります

      部屋の壁や障子にそってコの字型ですね

式は仲人か来賓の謡う〝高砂〟で始まります


〝高砂や この浦船に帆を上げて 月もろともにいでしおの~〟

で始まる謡曲です ここまでしか知りませんが

   昭和中期は子供でも〝高砂や~〟と言えば結婚式だと思いました


生まれる前のその前の話をこんなに自信たっぷり話せるのは

昭和30年代に母方の叔父が結婚した時に いきさつは知りませんが

祖母の実家で この古式?結婚式をあげていまして

〝高砂〟の後の三三九度のお盃 を運ぶ雄蝶雌蝶おちょう めちょうの雌蝶を

一回り年上の叔母(雄蝶)と小学生の時にやったからです

        神前結婚式で 巫女さんがお雛様みたいな

        お酒入れ(名前知らない)と三方に大中小の

        塗りの盃を運んでくる あれです

小の盃に注がれた酒を三回に分けて飲み干す 次は中の盃…

で 三(盃)三(回で飲む)九度(?) と言うと聞きましたけど


確か そこまでが挙式で そのままの場所で披露宴になり

真ん中に開いた畳の空間を女中が料理や酒を運んできて

一人一人の前に料理の乗ったお膳が置かれ 客同士が立ち歩いて

酒を酌み交わしたりしてました


その時のお嫁さんは祖母実家の別座敷に美容師さんを呼んで

支度を整えてもらいましたが 当時のお嫁さんは実家で花嫁支度を

整えてそのまま ご近所の人に見送られて行くのが通常で

その時に見送りに出てきた子供に キャラメルが配られたりしました


叔母が結婚した頃には ほぼ式場で支度するようになっていましたが

祖母のたっての希望で 家に美容師さんが来て家から花嫁姿で会場に

向かいました(しんどかったと 文句しか聞いてないですが)


潮来の嫁入り舟とか 岩手のちゃぐちゃぐ馬っこ とかみると

実家で花嫁支度をして嫁に行く というのが昭和初期~

の普通だったようですね


両親は戦後まもなくだったので 手持ちの中で一番いい背広と着物で

集まれる家族友達程度の少人数で結婚したと聞いています


ここからぐい~っと派手婚になって 

次に 神や仏抜きで人前結婚が多くなるという流れですが 

人前結婚て 斬新なものではなくむしろ昔に戻った形だとも言えますね

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