#40 婚儀にまつわるETC 引出物  

順番から言えば 結婚式の話ですが 

引出物=式に参列してくれた方に持ち帰ってもらう品

の事を思い出したので 浅い脳ミソからこぼれないうちに

先に 書き留めます


引出物との最初の遭遇は 祖父母がおよばれして戻った時

いつ頃か分からないけど昭和30年代くらいの大阪です


披露宴にはこれでもかと山海の珍味が出されますが

女性は着物で帯締めてるし 男性はまずは一献なので

そうは食べられない

そこで 次々とお皿を運ぶ仲居さんが下げてきた

手つかずの品々を個人別に席の後のに入れるんです

      木製の重箱のようなものです

      段を重ねられて 足の着いた一段目には

      先に 赤飯が2合程詰めてあります

はい〝もったいない〟〝SDGs〟のご先祖様です


そこにはハーフサイズの羊羹の上に妖しい色で〝寿〟

と書いたものや 紅白まんじゅうなどが隙間を埋めるのに

入ってることもありました


その〝木の重箱〟は紅白の房付きの紐でしばられていっちょあがり

それに お膳の向こうで遠すぎて誰も手を付けない鯛の塩焼きを

竹籠に入れたものや

     鯛の代りに伊勢海老というのも 聞いた事はありますが 

     私の生活レベル圏では 見た事はないです

一合ガラス瓶の日本酒とかを

〝寿〟や〝鶴亀の絵〟がえぐめの色彩で描かれた      

白い木綿の八反風呂敷に全部包んで持って帰ってきました

夫婦で行けば 2セット…… だから行く前に婆ちゃんから

「晩御飯食べんと待っとき」と声かけられたもんです

     その風呂敷を座布団カバーにしてたおうちを知ってます

     消え物以外の引出物はなかったと思います

     持って帰れんわな


私が初めて単独で披露宴に呼ばれたのは 友人が19で結婚した時で

振り返ると あれは引出物の潮目が変わる時期だったような

頂いたのは コーヒーカップセットとガラス鉢セットとカトラリーの

フルセットがドラクエの宝箱みたいな木箱に入ったものに

     それを 振袖姿で持って帰った ただもう重かった

手の届かない位置にあった鯛の塩焼きとウェディングケーキ 一切れ 

は 大袋にちゃんと入ってました


昔は 陶器は〝割れる〟からだめとされてたんですが

      婆ちゃんがもらってきた 片手鍋 今でも使ってます

あの頃には ほとんどガラス製や陶器を抵抗なく使ってましたね

食べ物も缶入りクッキーのようなものはありましたけど

手つかずの料理(鯛も含めて)はなくなりました

ウェディングケーキも 初めは本物のきれっぱしだったのが

いつからか 普通のショートケーキに変わり 

一切れもらって帰る意味はなくなったような


我々団塊結婚ラッシュの大波が過ぎて

私の両親とかが主賓なんかで出席する頃から

あの 誰も喜ばない 新婚夫婦の写真入り掛け時計とか

カップルの名前入りペアマグカップとか(誰が使うねん!!)

が 一世を風靡しましたね 

その頃から 離婚率も上がったというのに  ねえ


そして 私なんぞが職場の先輩として呼ばれる頃には

(昭和じゃありませんが) ギフトブックに

あれは いいですね軽くて 

昔はなかった 二次会などが盛んになったのも影響してる

んでしょうね 昔の結婚式に二次会がなかった理由も含めて

次は 私の見てきた結婚式について書きたいと思います

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