#33 お正月にやっちゃいけない事もうやる人のない事

暮れになったら 年末年始のネタは山ほどある

と思ってたのに 生来の愚図のせいでもう大晦日です 

とても書ききれそうもない あれやこれやは来年の暮れまで

のお楽しみ(という程でもないが)という事にして


今回は お正月にやっちゃいけない と言われてた事について少々

・まずは 九餅 九飾り 九は苦に通じるからという事で

 29日に 餅つきをしたり正月飾りをしてはならない

 母の実家では餅つきは28日 お飾りは30日と決まってました

 そうそう 31日に駆け込みでお飾りを飾るのも〝一日飾り〟と言って

 やっちゃいけないラインナップにありました


・大晦日から三が日は掃除はしない その為の大掃除なわけでして

 理由は〝年神様を掃き出さない〟だったので

 今なら〝吸い込んじゃえ〟 となりそう


・三が日は台所仕事はしない 祖母の家はもちろん水道もガスもありましたが

 残されていた井戸(水の神様)とかまど(火の神様)にはしめ縄がかけられて

 使用禁止でした まあ ほぼ使ってなかったですけど 

          小学生の私は かまどがとにかく好きで

          祖母の家に行くと羽釜に水を汲んでもらって 

          一日かまどで薪を燃やしていました

          夏休みにも祖母は私の為に薪を買っておいてくれてました 

 お茶を沸かしたり餅を焼いたり 厳密に台所仕事をしないのは不可能ですが

 一から料理などをするのはNG その為のおせち料理な訳です

 

・元日からお金を出すと一年中お金が出ていく と言って

 お年玉は 2日にもらいました

 これは お客様を見てると そういう地域や気にしない地域があったよう


・洗い物や洗濯などは 流れ去るでゲンが悪いからしない

 大晦日 家族が風呂に入ったあと 母はたらいで最後に脱いだ下着靴下を

 紅白聞きながら洗ってました(洗濯機回すほどの量ではないと言って)

 汚れものは今年のうちになくしたいと言ってましたが

 結果 元日から洗濯物がヒラヒラするのって ど~よと私は思ってました

 もちろんお風呂も 元日はなし初風呂までお預けです


 で 洗い物しないって? と思われた方も多いと思います 

 両親の部下で 帰郷できない大学生や若い社員がひっきりなしに

 飯食いに来てた東京の我が家ではいの一番になくなった風習ですが

 大阪の祖母宅では まず瀬戸物は使わない(〝割れる〟を嫌う)で

 それぞれに割り当てられた塗り物の盃やお椀で食事をします

 箸は袋に自分の名前が書かれた祝箸です

 食事が終わったら 白湯を少し張り中をきれいにしてついでに箸も洗い

 あとは…… 飲んじゃう

 水分は懐紙で拭き取って 自分の器をまとめて名入りの箸袋で分かるようにして

 (昔はそれぞれのお膳があったらしい)置いておきます

 正月は 朝一番以降は食事時間が決まってないので 随時自分の食器で

 欲しいものを食べました

      食器はそういうものだと思ってたので気にならなかったけど

      箸がすすいでも落ちないきんとんのクチナシ色に染まったまま

      なのはすごく イヤでした 

 

 きゃぁ~ と思った方多いと思います これは絶対に戻ってこない風習ですよね


もう一つ もうないよな と思う風習は 

年の最後のお風呂から上がると下着から着物まで 新品が並んでること 

多分 昔はこの日に合わせて 子供の着物を母親が縫って用意したんでしょう

この一年で短くなった丈を仕立て直したり 新しい着物を縫ったりは

Xマスプレゼントを用意する今の母親と同じワクワクだったと思います


さすがに私の頃は 着物はなかったけど 下着は一式新品が並んでました

そのたたみぐせそのままの ちょっと着心地の悪い感じが正月感でしたね


きっと もっと昔は 新しい服や下着を買ってもらうなんて

一年に一度の事だったのかも知れません

豊かになった今は もうこんな習慣はないと思いますが

貧しいからこそ感じるワクワクというのもあったんだなあと思います

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