#21 東京オリンピック 巷の思い出(試合開始)

テレビで最初に見た中継は 水泳

外国人選手も今ほどの体格ではなかったけど

それにしても 日本選手の体格ハンデは明らかでした

学校では 遠~い昔の〝水泳日本〟話を聞かされていたので

平泳ぎとかは 日本に有利なのでは なんて期待もしましたが

      もうね スポーツファンじゃないの

      日本 日本で凝り固まったサポーター(フーリガン)

      間違いでもいいから 勝って~ って

毎日何回も アメリカ国歌を聞かされて 一緒にハミングできる程になったわ

「いや あれ外国選手が身長の20倍泳ぐ間に日本人は30倍泳ぐんだぞ

 卑怯だと思わないか?」  なんて言ってた子もいたっけな


男子の体操は期待に応えてくれた

「あれは手足が長すぎると重くてバランスとりにくい

 これからも 日本人の天下だ」 って訳知りおじさんに言われたけど

女子の体操は明らかに手足の長い方が綺麗で 有利な気がしたよ


体操の盛り上がりは わが校に思わぬ余波をもたらした

理科の先生が白衣に顔の真ん中まっすぐガーゼと絆創膏つけて

授業に現れた 本人は聞いても答えなかったけど

テレビを見てて 体操競技の大車輪できるんじゃないかと

思ったらしく 校庭にある高鉄棒で実験に及んだ 

やろうと思っただけのことはあって 回り始めたらしいが

理科の教師なのに遠心力を甘く見てた為

鉄棒を握っていられなくなって 吹っ飛んだ  らしい

まあおかげで 我々は体操選手がどれだけの握力を鍛えてるかを

知ったんですが


重量挙げは快進撃を受けて 急遽中継することになったと聞く

黙々と続く競技でしたが 少しも飽きずに見続けました

体重別のクラスで 軽量級は日本人では少し小柄位で普通だけど

欧米ではこのクラスの体重で オリンピックを目指そうとする人が

そもそも少ないのだ だから有利だ! 勝てるぞ!! 

ってこれも巷の噂話ですが


柔道は 海外の選手がいること自体がビックリ状態

    もちろん女子の種目はありませんでした

見てる方も 勝って当たり前 選手には重圧だったでしょうね

最後の無差別級決勝で神永さんがヘーシンクに敗れた時は

本当に驚きました でも柔道部の子に 本当はしめ技で

もう抜けられないとなったら 参ったの合図をするんだが

彼はどうしてもそれをすることができずに落ちた(失神)んだ

って ちょっと涙目で言われた時 重圧という事を改めて感じました


女子バレーは初めから 金を期待される重圧の中で

熱狂的な応援を受けていました 

最後のネットタッチ も見てましたよもちろん

彼女たちの練習は今なら というかあの頃でも過酷極まるもので

しかも アマチュアという事で 昼間はニチボウの事務をしながら

深夜まで練習 浴びせられる罵倒  全部美談になってましたけど


金メダル獲得後 誰だったか政治家の所に挨拶に行って

監督が政治家に「いい婿さんを探してください」と言ってた

確かに彼女たちは 当時としてはとても背が高く 試合の為に

婚期(25くらいかな)を逃させてしまったというのもあっての

監督の親心のようだけど 

同じく高身長の私(中坊)テレビに向かって

「大きなお世話だっ!」 と思ったよ

     実際に政治家の肝いりで何人か結婚されたけど

 今なら大炎上間違いなしね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る