第16話 数え三十三で産んだ子は四つ辻に捨てた

最初から余談で恐縮だが SDGsでストローが変わっている

というのを つい最近実感してというか ありていに言えば

ラップの芯のひ孫みたいなストローを渡されて驚いた訳で

確か 幼い頃ストローはまんまstraw 麦わらだったけどな

と 検索してみたらなんと〝120年前ストローは麦の茎だった〟

みたいな説明が堂々とのってて わたしゃ明治生まれか!

こうやって歴史は改ざんされて行くのじゃ と密かに突っ込んだ時に


生まれた子が丈夫に育つようにと四つ辻に捨てた というと

「ああ 豊臣秀吉が最初の子を一度捨てて拾わせたって話ね」と

返って来て わたしゃ 安土桃山時代の人間か と突っ込んだ事を

思い出したという訳で(つながった)


太閤さんから私への流れを考えると 関西地方の習慣なんでしょうかね

下の子を32歳(数え33歳)で産んだ時 〝捨てなきゃ〟は

母と私の共通認識でしたんよ 昭和末期でしたけど


どういう風習かというと

母親が厄年に出産すると お産は女の大厄なので総ての厄は払われる

しかし 生まれてきた子がその厄を引き受ける事があるといけないので

その子を四つ辻に捨てて血縁のない人に拾ってもらえば厄も落ちて

その子は病知らずに育つ というのです


実家近くの四つ角に乳母車ごと子供を置いて家に戻り

その時点で 目くばせできるほどの場所に待機していた

近所のおばちゃん(拾い親)に拾ってもらい 家まで届けてもらう

というのが 末の子の時の段取りでした

思いがけない展開は 5歳の兄が「捨てたらだめ~」と泣き始め

最後は怒って 家の裏の草ぼうぼうの空き地に駆け込み出て来なかった事

「ほら 赤ちゃんおうちに帰って来たよ」と迎えに行ったら

やぶ蚊に刺されまくって それはひどい有様で 

思わずギュッとしちゃいましたね


迷信と笑う勿れ 兄が軽い病ですが3度入院したのに対し

この子は入院など一度もせず 病知らずで成人しましたよ

今はもう消えていく習慣なんでしょうね

でも 安土桃山時代じゃない事だけ ここに明記しておきます 

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