第11話 〝コレクトコール〟は辞書からも消えた

別ネタを書こうとしていたけれど

コレクトコールが辞書から消えた と聞いて

電話話に変更します 

ちなみに この〝電話〟という言葉も携帯やスマホに取って代わられて

いつか 辞書から消えるんだろうか

 となると「でんわに出んわ」というギャグも闇に…


お話戻して そもそもコレクトコールとは

交換(台にいる女性)に電話して相手の番号を告げると

交換嬢が相手の番号にかけて

「○○さんからお宅にコレクトコールです 受けますか?」

と聞く そこで受け手側が電話代を払う事を了承したら

電話がつながり話ができるという  言わば着払いシステムで

周りでは 海外や遠方にいる子供から親へというのが

一番の定番だったけど 世界中が簡単につながる時代に

もはやコレクトコールという言葉を辞書で調べる人さえも

いなくなったという事なんですよね


あっちの電話とこっちの電話をつなぐ仕事は

交換台(そこに勤務する女性)がやっていて とにかく人海戦術

昔は 職業婦人の多くが交換嬢でした


母の祖母は料亭をしていたので 早くから電話があったけど

壁に掛かった本体から 糸電話のような受話器をはずして

横についたハンドルをグルグル回すと交換台が出て

「新地の八番だす 北浜の十六番お願いします」てな事を言って

電話を繋いでもらっていたと聞いています 


会社などでも 大きなところは自社の中に交換台を持っていて

大代表という電話番号にかけると 交換台につながり

要件を言えばそれにふさわしい部署につなぎ

「○○部の△△さんお願いします」と言えばその人の近くの電話を鳴らし

(各人のデスクに電話がない時期もありました)

「××さんから △△さんにお電話ですが」とか言ってくれます

ここで「いないと言って」と言えば 「すいません外出中です」

なんて事も言ってくれちゃったりした訳です 

 

私の子供時代 電話は一気に普及しましたが

電話を引きたいと申し込むと 主線から申込者の家まで

電話線をつないで家の中に引き込んで… という工事を

一軒一軒やるのですから 手間も時間もかかって

順番待ちが月単位どころか年単位 でしたね


昭和40年代末の大阪で アパートに電話を申し込んだら

そこを引越す1年半後になっても 工事の連絡すらきませんでした

 これは実話です


もちろん結構な工事になる事もあるので 設置費用も馬鹿にならない上に

かなり高額の電電公社債を買わねばならず 

「電話引いた」と言われたら「大変だったね」と言ったもんです

(もっとも この社債は「額面で買い取りまっせ」という業者が現れて 

  すぐに現金が戻るようになりました)


国鉄 郵便局 と同じく公企業だった時期は電電も 上からタカビーな

所だったですよ お金支払ってるのに「電話を使わせてやろう」的な

   これも実体感 


小学校の頃は いや中学になっても クラスの名簿の電話番号欄に

 (名簿には生徒名 住所 電話番号 父兄名 職業が書いてあった

   これも 今は昔話)  

番号の記載のない家もあったし 書かれた電話番号の横に(呼)とあって

ご近所の家の電話番号が書かれた家もありました

クラスの連絡網が回る時は 

自分ちの次が電話のない家ならその家まで走り 

(呼)にかけると その家の人がご近所のそのクラスの子の家まで走り

その家の誰かが「すんません すんません」と言いながら 夜でも昼でも

(呼)家に上がり込んで 電話を聞いたもんです

もちろん かけた方はその間 ず~~っと待ってます


祖母の家はあちこちの(呼)を引き受けていて 私も呼びに走りました

その人が帰った後 電話台に10円玉が置かれてたりもしましたよ

 (当時市内通話は一律10円)

もちろん 受けた方は無料だったんですが 「呼子代や もろとき」

と言われて 何回かもらいましたわのう

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