詩 誰かの悪意と視線

第1話

「人に見られてる気がするわ」

「でも、振り返っても誰とも目が合わない」

「とにかく不気味……」

　視線がささる　背中にささる

　ぐさっとささる　ちくちくささる

　気にならない　わけがない

　大勢見てる　一人を見てる

　どうして　なぜなの　理由が不明

　なぜか見られる　集まる視線

　視線がどんどん　背中にささる

　見られすぎると　ストレスになる

　見られてなくても　感じてしまう

　心配性　不安症　考えすぎなの？

　そうだったらいい

　分からなくなる

　この視線は何？

　この視線は誰？

「ストーリー」

　あの人、こっち見てるよ。

　あなたの事、見てるよ。

　もしかしてストーカーかも。

　嫌だこわーい。

（なんちゃって。気に食わない女をそうやって病ませるのが楽しいのよね、あははっ）