第9話放課後

放課後

あおいは、屋上で待っていた。



「お待たせ」

れなが、やってきた。


「お、おう。急に呼び出して悪かったな」


「そういうのいいから、本題に入りましょ」


れなは、やはり少し怒っていた。


「そうだな、あのな、れな。俺が土曜、さらと一緒にいたのは、付き合ってるからじゃないんだ」


「ふ〜ん。じゃあなんでいたの?」


「あれは、さらが遅刻しそうになった時、付き合ってあげたお礼に、ご飯行ってただけなんだ」


「?」

れなは、きょとんとした様子だった。


「なによそれ。全然意味がわからないわ、遅刻を付き合うってどういうことよ?!」



「・・・・・・・・・」

それはだな。

あおいは、あの日のことを思い出していた。


「お互い遅刻しそうで、さらが、家に忘れ物したらしく・・・」



あおいはあの日あったことを、こと細かく説明した。


「そう。そうだったのね」


れなは、ようやく納得してくれた。


「誤解が解けてよかったぜ」


あおいは、肩の荷がようやくおりたようだった。


「てかお前怒りすぎだろ」


「なにがよ!」


「今回のことに関してだろ。仮に俺が、付き合ってもお前には関係ないだろ」


「関係あるの」


れなは、即答だった。


「なぜ?」


「そ、それは・・・」

「・・・・・・」

「?」


「いいから、報告しなさい」


「どういう意味だ?」


あおいが聞き返すと、れなは、

足早に帰っていった。

あおいは、この日、れなのことがまた一つ、分からなくなった。



家に帰ったあおいは、母さんに呼ばれてリビングにいった。


「母さん何?」


「今日れなちゃんの家、親いないらしいから、夕飯うちに、呼んであげなさい」


(なんでだよ)


あおいは心では、そう思ったが、了承した。


「あら、あんた優しくなったんじゃないの」


「もしかして、付き合いだした?!」 


「はぁ?付き合ってないし、なんでそうなるんだよ!」


あおいは、照れながら、母さんの言うことを否定した。


「じゃあ呼んでくるから」


あおいは、れなを、呼びに行くことにした。



「ピンポーン」


チャイムを鳴らすと、れなが、出てきた。


「あおい、どうしたの?」


「夕飯、うちこいよ。一人なんだろ。一緒に食べようぜ」


あおいは、緊張気味にいった。


「え、いいの?わるいんじゃ・・」

(あおいと2人でなんて、夫婦みたいじゃない

どうしよー)


れなが悩んでいた。



「母さんも呼んでこいって言ってたし、いいだろ。こいよ」


………

「あ、お母さんいるんだ。わ、わかった準備したら、行くから戻ってて」


れなは、走って自分の部屋に戻って行った。


「はやくこいよ〜?」

れなは顔を真っ赤にして行ってしまった。



20分後


「ピンポーン」

玄関のチャイムが鳴った。

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