第6話保健室

保健室


「あおいしっかりして!」


れなは、必死にあおいに話しかけていた。

「れ、れなか。俺はなんでここに?」


「ボールが当たったんだよ」


「あぁ〜そうだったのか」

あおいは、意識を少しずつ取り戻した。


「あおい、ありがとう。助けてくれたのに、怪我させてしまって・・・」


「いいよ、俺が勝手にやったことだから、気にすんな」


「気にするよー。でも無事でよかった」


れなは、そう言うとあおいの手をぎゅっと握りしめた。


「れ、れなさんこれはいったい?!」


あおいは、びっくりして、れなの顔をみた。


「こ、これは、感謝の握手だよ。変な意味じゃないからね」


れなは顔を赤くして言った。


「そうなのか」

あおいも、顔を赤くして答えた。


緊張が走った保健室。

ここから10分、お互い何も話さない時間が続いた・・・


先にれなが口を開いた。

「じゃ、じゃあ私いくから」


れなは逃げるように

保健室から去って行った。


それを見てあおいは、ベットに潜り込んだ。




そして、あおいは、

そのまま眠ってしまった。



放課後になり保健室から出たあおいは、

荷物を取りに行こうと、教室に

戻ることにした。


~がらがら〜

教室のドアを開ける。

そこには、れなの姿。


「どうした、まだ帰ってなかったのか?」


「あんた、疲れてそうだから、

荷物ぐらい持ってあげようと思って待ってたの!」


「そ、そうか。でも大丈夫。もう完全復活したから」


「そ、そう?」


れなは残念そうな顔でこっちを見ていた。

「まぁせっかく待ってたなら一緒に帰るか?!」


「うん」

即答だった。


「はやいな、じゃあ帰ろうぜ」


二人は教室を後にした。


帰り道


「あおい今日は、ほんとにごめんね」


れなに、深く頭をさげられた。


「もういいって、その話はやめようぜ、他の話しよう」


「なんの話するの?」


「えぇっと・・・じゃあ好きな人とか?」


あおいは、とっさになぜか、その話題が頭に浮かんで聞いてしまった。


「へ〜。あおいが恋バナするの珍しいね」


「いいから好きな人とかいるの?」


れなは黙り込んだ。

「その反応は、いるのか?」


「あおいこそいるの?」

れなは興味津々そうに聞いてきた。


「いないかな、でも何を考えてるか知りたいやつならいるかな〜」


「だれよそれ?」

「秘密」


この時あおいは『お前だよ』と心では、

思っていた。


「もー!言ってよー」


この後も会話は弾み楽しい帰り道となった。



そして家に着いた頃

二人はいつもより、顔が赤くなっていた。

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