第4話病気
放課後
あおいは、帰る支度をしていた。
「あおい、今から帰るの?」
れなが、近づいてきた。
「そうだけど。なに?まさか一緒に帰りたいとかじゃないよね?!」
あおいは、挑発するかのように、
れなを見た。
「そんなんじゃないわよ。
ただ、あおい友達少ないんだから、一緒に帰ってあげてもいいわよ」
「なんで俺がお前なんかと、じゃあな」
そういいあおいは早々と、教室を出た。
「待ちなさいよ」
れなも後ろからついてきた。
「なんでお前着いてくんだよ、お前こそ友達少ないんじゃねーの?!」
「そんなことないわよ、今日は
たまたま・・・」
「たまたまねぇ〜」
あおいは、避けるように、早歩きで、
歩き出した。
「待ちなさいよ」
と言う、れなの言葉は、聞こえたが止まるつもりはなく歩き続けた。
玄関に着くと、れなの家の方をちらっと
向いた。
まだ着いていない様子だった。
それもそのはず、早歩きと言いながら、
ほぼ走っていたからだ。
「なんで俺がれなを
避けてるのか・・・?」
よくわからないからだ。
急に怒ったり、笑顔になったりするから。
振り回されて、こっちが疲れるので、
なるべく関わりたくないんだ。
でも、走って逃げることはなかったかなと、少し後悔もしたが、気にしなかった。
次の日
あおいが、目を覚まして時計を見ると、
「7時50分」と時計は表記していた。
「はぁ!やばい。
れなのやつ起こしに来なかったな」
文句を言いながら着替えを済ました。
あおいは、過去一番早く準備を終え、
家を飛び出した。
すると、そこには、顔を真っ赤にした、
れなが座り込んでいた。
「れなどうした?!遅刻するぞ」
しかし、れなは答えない。
「おいっ聞いてるのか・・」
その瞬間、れなは、地面に倒れこんだ。
「だいじょうぶかっ!!」
明らかに、様子が変だった。
あおいは、すぐさま自分の家のベットに
連れて行った。
しばらく時間が過ぎ・・
「あおい・・・」
れなが消えそうな声で、呼んでいた。
あおいはその声に気づいて、
れなに駆け寄った。
「起きたかお前すごい熱だったぞ、もう大丈夫そうか?」
「うん、朝よりかは、大丈夫。
てか看病してくれたんだね。ありがとう」
れなは、うれしそうに、いっていた。
「さすがに家の前で倒れていたら看病するさ」
とあおいは、照れ臭そうに、答えた。
「れな、なんであんな所にいたんだ?」
あおいが不思議そうな顔で尋ねると
「あおいを起こしに行こうと思っていたの、でも体調が急に悪くなっていけなかった」
申し訳なさそうにれなは答えた。
「わるいな」とあおいは言い、れなを、
家まで送ってあげた。
その日の夜、あおいは一人、
部屋で後悔していた。
それもそのはず、れなは、体調が悪いのに、
迎えにきてくれた。
それなのに俺はれなを避けたりして
情けない・・・
あおいはこの日は、全然寝付けなかった。
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