第16話 ニコルの部屋
「充生、いらっしゃい。」
ニコルの部屋はいい香りがする。
ルームフレグランスかな。
爽やかで甘い、ライチのような香り。
「お邪魔します。」
ワンルームで、決して広い部屋では無いけれど、高級ホテルの一室のようなお洒落な雰囲気だ。
落ち着いたブラウンの木製家具やベットに、ベットカバーは鮮やかなブルー。白いソファーにもグレーやブルーのクッションが置かれている。
壁には波を写した写真のような、大きなパネルが飾られている。
暗い茶色と鮮やかな青で統一されたリゾートホテルのような雰囲気。
「メロンパンとかサンドイッチをパン屋で買って来たよ。」
ニコルも俺も料理はぜんぜん駄目なので、会う時は外食か、何か買って来る。
お洒落なパン屋の大きな紙袋をニコルに渡す。ニコルは甘いパンが好きなので甘いパンを数種類とサンドイッチなど、いろいろと買って来た。
「充生、ありがとう!」
付き合い始めて、ニコルの無邪気な一面を目にするようになった。普段は無口なニコルも、たまにこんな嬉しそうな顔を見せてくれる。
「美味そうだね!コーヒーを淹れるよ!」
ニコルがキッチンへ行く。俺は大皿を1枚、食器棚から借りてきてテーブルの上へ置くと、ソファーに座りパンを並べていく。全部乗り切らないので半分くらい。
やがて香ばしいコーヒーの香りが立ち込めてきた。2人で美味しいパンとコーヒーでランチタイムを楽しむ。
「で、元マネージャーはどんな要件だったの?」
「うん、ほとんどは昔の思い出話をしてただけなんだけど、、また一緒に仕事をしてみないかって。」
「アイドル?」
「いや、これからアイドルはもう無理かな。深夜枠のドラマの話があるみたい。」
「ドラマ!!凄いね。充生はどう思ってるの?」
「まだ何とも思えない。またあの世界へ戻るのは凄く勇気が要るよ。でも美香さんとなら安心して仕事が出来そうな気はするかな。」
「そっか。返事は急がなくていいんでしょ?」
「うん、多分ね。」
「じゃあ、よく考えて決めればいいと思うよ。」
ニコルが唇を合わせてくる。
コーヒーの香りのキス。
「ニコル、、いっぱい抱いて、、。」
俺からぎゅーっとニコルに抱きつく。
「どうしたの?そんな事言ってくれるなんて珍しいね。、、可愛すぎて理性が飛んでっちゃうよ。」
ニコルが噛みつくような激しいキスをしてくる。お互い服を脱がせあって、ベットへ移動する。
ニコルが部屋のカーテンを引いて、電気を消すと、天井のガラス製のペンダントライトだけに切り替えた。ガラスの凹凸で天井に不思議な模様が映し出される。
俺は鮮やかな青いベットカバーの上に裸で横たわる。
ニコルが大きな瞳を少し細めて、上から見下ろしてくる。
「充生、、綺麗だ。」
激しく唇を吸われる。ニコルの熱い舌が入ってくる。
「あ、、ニコル、、はぁ、、あ、、。」
何とか息継ぎをして、激しいキスを受け止める。
そして乳首を吸われる。激しく吸われたのであまりの刺激に鳥肌が立つ。
大きくのけぞると、壁にかけられた波の写真が目に入った。ガラスのペンダントライトの不思議な模様が波紋のように重なって、まるで海の中でセックスしているみたいだ。
ニコルが俺をうつ伏せにすると、後ろから俺の中へ指を入れて来た。潤滑剤がチュクチュクと艶かしい音を立てる。
そのまま俺のモノへも潤滑剤をまとわせて、ゆっくりと動かす。
俺は四つん這いで自分の体を支えていられなくなり、青いベットカバーへ突っ伏してしまう。
「はぁ、は、、あ、ニコル、、気持ちい、、い、、。」
そのまま俺がイクと、ニコルが自分のモノに潤滑剤をたっぷりまとわせて、俺の中へ入って来る。
クプッと簡単に先端が入り、俺はニコルのモノをゆっくりと奥まで受け入れていた。
「充生っ、、中が熱くなってる、、はぁ、、あ、、気持ちいい、、。」
ニコルが激しく突いてくる。
俺も必死に四つん這いで身体を支えたまま、快感を貪欲に拾うように腰を動かした。
2人で果てる。
そのまま少し微睡んだ。
ドラマの内容については、また後で話そう、、。
原作の漫画がとても面白くて、昨夜一気に全5巻まで読んでしまった事も。
BLドラマだって言ったら、ニコルはどんな反応をするんだろう、、。
そんなことをぼんやり思いながら、俺は心地いい眠りに沈んでいった。
つづく
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