第4話
『行こっか、シェフィル』
『いいわよネク』
冒険者ギルドのロボット格納庫にて、機体に搭乗したネクとシェフィルは車両に乗り込んでいた。探索に向かうのは、前回『
ネクたちの報告を受け、他の冒険者の中にもそこまで遠征して探索するものたちが出始めた。物資の回収は早い者勝ちだ、ネクたちも出遅れてはいられない。
「それじゃあ運転、お願いね」
「わかった、そっちは休んでおいて」
車両に乗り込み、機体をハンガーに固定して降りると、ネクが運転席に座る。
シェフィルは今日もパイロットスーツでなく、普段着……細身で、機体の操作の邪魔にならない程度に少しフリルをあしらったシャツを着ていた。「
なお、シェフィルの姿を見たアルマが呟いた「色を覚えやがって……許さんぞ!」というセリフは誰にも聞かれていなかった。
『前に調べた、この道路の先を見に行きましょう』
『そうだね』
目的地に着き、ネクとシェフィルは機体に乗り込んで廃墟の探索を開始した。
元は大きな通りだったのだろう荒れ果てた道路を、ネクとシェフィルが進んでいく。
彼らが進むアスファルトは所々砕けて、陥没している……これが、車両で廃墟に乗り込めない理由の一つだ。
二足歩行であるネクたち冒険者が乗るロボットは、こういった不整地を進むのに最も適している。
『この道路って……元は車が走っていたんだよね?僕たちの今使っているものより、もっと小さい……』
『そうらしいわね。……知ってる?道路って走る方向が決まっていたらしいのよ』
『え、そうなの?』
『ええ。方向を統一しないと事故が起きちゃうでしょう?』
『あ、なるほど』
話をしながら、2人は道を進んでいく。
大きなビルが途中で折れて砕け、道路を寸断している場所に到着すると、ネクが
その間、シェフィルは周囲を警戒していた。
……シェフィルの腕は確かであり、いくら話をしているとはいえ、廃墟探索において気を抜くような真似はしていない。しかし、弁明をするのであれば……彼女が想定している『敵』とは、ドローンやモンスターといった存在だ。
だから、そんな2人を監視している者がいるとは、その時は、気が付くことができなかった。
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