第6話
ガシャアァァ―――――――ンッ!!
拠点へと急ぐネクは凄まじい音と、そして目の前に飛び込んできた物体に思わずロボットの足を止めた。
その物体……廃墟の壁に激突したのは、冒険者のロボットだ。
白色の機体で、右手には
あれはたしか、エルフの冒険者……シェフィルの機体のはず。
『シェフィルさん?! どうしたんですか?!』
『?! 逃げて!!』
急いで近寄ろうとするネクに対し、シェフィルは動揺するように声を上げる。
ネクが何か言うよりも先に、シェフィルの前にガシャンッ!と音を立てて新たな機体が姿を現した。
変わった機体だった。
全体的にはスマートで細身な印象を受ける。
角ばった形状で、頭部は角のような
手には大きな
その機体を目にして、ネクは息を呑む。
ネクはこの機体を知っている。
この機体は冒険者のロボットではなく、
しかしもちろん、
映像で見た
この機体を見たのは、もっと前。
冒険者になる際に受ける講習、その時の座学で習ったのだ。
━━━教官役の冒険者には散々に言われた。
この機体を視たら、絶対に『逃げろ』と。
他の冒険者が襲われようが仲間が死のうが関係ない、絶対に逃げろ、と。
『
ネクの呟きに首肯する様に、第三次機体のカメラがキュイ、と音を立てた。
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